Posts In Category

連 載

前回「習近平の野望」と題し、中国のアメリカに対する挑戦の目的・目標について書いた。中国は、アメリカに対し「新しい大国関係」を認めさせ、世界の富が集中するアジアからアメリカを追い出し、西太平洋を含むアジアを中国の影響下に置

EU基盤に亀裂進む EUの国境管理システム、シェンゲン協定は、ヒトの域内における自由移動を保証するという画期的な協定であり、長らくEUを支える強い基盤となってきた。しかし、このたびの難民問題の深刻化に伴い、いまやその基盤

これまで、アメリカの戦略家マハン提督のシーパワーに着目した海軍戦略について説明し、引き続き、実は中国がマハンの海軍戦略の忠実な門徒として海軍を設計・拡張していることを説明してきた。しからば、習近平・中国共産党指導部は、こ

突然の逆風:アンゲラ・メルケル首相は耐えうるか 新年を迎えたばかりの1月22日、エーゲ海でまた難民・移民を乗せたボート3隻が転覆、子供を含む45人が溺死した(追記:1月30日にも、子供5人を含む30人の難民がボート転覆で

元々中国には物流(logistics)という概念はなかった。そこで日本語の物流(ウーリュウ)をそのまま使うこととなった。日本でも物流業は「右から左にものを流す存在」くらいにしか認識されていなかったがここ数十年の物流業界の

はじめに:アベ政治の3年に思うこと 安倍晋三政権は昨年12月26日で4年目に入りました。そして、今年、2016年1月4日でアベノミクスも4年目に入ったのです。 処で、昨年1年間の安倍政治の来し方を顧みるとき、問題の一つと

  砲艦外交から軍事外交の時代へ マハンは「海洋国家の繁栄は、商品の生産、海運、植民地の連環する3要素によってもたらされ、『海軍力は商業の保護』のために存在する」と主張した。これら3要素のうち、商品のマーケット

前回、中国の「真珠の首飾り」戦略について説明したが、今回は、この戦略に基づき展開している主な真珠の「珠」――海軍拠点――について簡単に説明する。 ☆ グワダル港(パキスタン) 中東からアジアへ向かう船舶の多くは、ホルムズ