鉄鋼 世界で供給過剰

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世界の鉄鋼市場が米国の輸入関税騒動をきっかけに分断され供給過剰がおきている。今年1~6月の世界の粗鋼生産量は最大の生産国である中国の伸びが過去最高となった。中国は国内景気対策で増産が続く一方あふれた鋼材が輸出されアジアなどの市況を押し下げる。貿易摩擦で需要が冷え込み需給が更に崩れれば世界経済の先行きにも黄信号がともる。世界鉄鋼協会が今月末までにまとめた2019年1~6月の世界粗鋼生産量は前年同期比4.9%増の9億2506万トンと過去最高であった。世界の50%を生産する中国は9.9%増の4億9216万トンと最高を記録し中国の純増分だけで世界全体の伸びを上回った。中国政府はここ数年対外的には余剰生産能力の削減にとりくんできたが実際には減速する国内景気を下支えするためインフラ投資を増やし建材需要が好調だ。新たな製鉄所の投資も始めた。宝山鋼鉄は老朽化した設備を統廃合する一方、広東省最新鋭の製鉄所の第3高炉を18年に稼働させた。生産能力は年1千万トンを超えるという。貿易戦争の余波で国内の自動車や産業機械など製造業向けの鋼材は伸び悩む。自動車などに使う『鋼板』類の1~5月の輸出は8%増、東アジアの輸出市場で代表的な鋼板である熱延コイルの価格は昨年10月のトン640ドルが現在550ドルとなっている。関税で米国向け輸出が出来なくなったトルコ産やロシア産は欧州市場を狙っている。英British Steelが経営破綻し業界首位の欧アセロール・ミタルは減産に追い込まれた。障壁を設けた米国側は18年にUS 
Steelが15年からイリノイ州の高炉2基を再稼働するなど業界は久々の増産に沸いたが最近は一転減産表明が続いている、理由は減速する米国の内需だ。中国の増産で鉄鉱石の価格は上昇し現状は原料高・製品安が続く
中国の官僚も何とか習に認められたいといろいろ知恵を絞る。
日本製鉄は米中関税騒動のせいもあり、設備投資を10%減、高炉改修の延期を決めた。

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