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小松秀樹
『地域包括ケアの課題と未来』編集雑感 (7): 高橋泰「首都圏の医療・介護の近未来」について
高橋泰氏は、全国のほとんどの2次医療圏を訪問し、実情を自身の目で確認されている。学者なので、目で見るだけでなく、数字でも把握している。それどころか、誰もが2次医療圏について詳細な比較検討ができるよう、2次医療圏データベー
『地域包括ケアの課題と未来』編集雑感 (6): 宮本太郎「地域持続の雇用戦略」について
宮本太郎氏は政治学者である。私は政治学者について、高みから政治行動を観察し、皮肉で乾いた見方を提示するひねくれた人たちという印象を持つ。権力の動きを人間の悪の部分を含めて、突き放して観察する。どうしても、人のよい政治学者
『地域包括ケアの課題と未来』編集雑感 (5): 小松俊平「官民役割分担の原則」を語る
一般的に、めったなことで、行政は期待通りには機能しない。これは、行政の活動が法に基づかなければならないことに由来する。この欠点を補完する手段は、原理的に市民側が用意すべきものであるが、日本国民は、いわゆる市民活動家を含め
『地域包括ケアの課題と未来』編集雑感 (4): 和田勝「介護保険制度の設計思想」を語る
ある会合で役人が嫌いですかと聞かれた。とんでもない誤解である。例えば、和田勝氏の業績と背景にある考え方を私は高く評価する。和田氏は1990年代半ば、高齢者介護対策本部事務局長として、厚生省(当時)のエースたちを率いて、介
『地域包括ケアの課題と未来』編集雑感 (3): 小松秀樹「人口の変化と社会保障」を語る
日本では、合計特殊出生率が低い状態が長期間継続している。今後、一貫して出生数が減少し続ける。このため、20歳から64歳の現役世代が減少し続ける。 問題は社会保障である。人口の大きい団塊世代、団塊ジュニア世代が高齢化してい
『地域包括ケアの課題と未来』編集雑感 (2): 猪飼周平「地域包括ケアの歴史的必然性」を語る
猪飼氏は、2010年に出版した『病院の世紀の理論』(有斐閣)で、イギリス、アメリカ、日本の医療システムを比較しつつ、独創性の高い議論を展開し、医療が医学モデルから生活モデルに大きく転換されようとしていることを説いた。 猪
『地域包括ケアの課題と未来』編集雑感 (1): 出版にあたって
2015年8月末、『地域包括ケアの課題と未来―看取り方と看取られ方』(ロハスメディア社)がやっと出版までこぎつけた。映像シリーズ制作が主目的で、本書はシナリオを書籍化したものである。この話が持ち込まれて以後、次々と障害が
地域包括ケアの具体像を模索
2013年8月に発表された社会保障制度改革国民会議報告書には、「地域での包括的なケアシステムを構築して、医療から介護までの提供体制間のネットワークを構築することにより、利用者・患者のQOLの向上を目指す」と地域包括ケアの