地域包括ケアの具体像を模索
2013年8月に発表された社会保障制度改革国民会議報告書には、「地域での包括的なケアシステムを構築して、医療から介護までの提供体制間のネットワークを構築することにより、利用者・患者のQOLの向上を目指す」と地域包括ケアの概念が簡単に説明されています。しかし、地域包括ケアの範囲をどこまでとるのか、具体的にどうすればよいのか、模索中と言ってよいと思います。
亀田総合病院地域医療学講座は地域包括ケアをテーマとしています。そもそもこの講座は、地域医療再生臨時特例交付金による千葉県地域医療再生計画の一環として計画されました。千葉県では医師・看護師が極端に不足しています。講座は地域の医療人材確保を目的とするものです。日本では、少子化によって社会が大きく変化しています。地方で人口が減少し、都会で高齢者が急増しています。時代の転換期にあたって、医療従事者のめざすべき方向を示し、どうすれば社会に貢献し、充実した職業生活が送れるかを提案することで、医療人材確保の方法としたいと考えました。
活動内容は2つ。1つは映像シリーズと書籍を作成することです。日本の医療・介護の抱える問題を同定し、解決策を考えることで、地域包括ケアの具体像を模索します。2つ目は、地域包括ケアの規格化です。規格は地域包括ケアを検証、再現、共有可能な形で提示し、質の保障と向上をめざすものです・・・。
(2015年8月31日 Socinnov掲載記事)