機能していない病床規制の全廃を ~既得権益を保護する競争制限政策<医療分野で創造的破壊を>
医療分野における岩盤規制には、株式会社形態の病院の新規参入禁止、混合診療の原則禁止、民間保険による現物給付の禁止などに加えて、「病床規制」がある。
これは、全国を348に分けた地域ごとに必要病床数の総量を定め、地域内の病院に割り振る制度で、当初は増嵩する医療費の抑制を目的として導入されたものであるが、現実には現存する病院の既得権益を保護し、新規参入を排除する競争制限政策と化している。その結果、日本は世界でもっとも人口比の病床数が多く、平均在院日数が長い国として、国際社会での顰蹙をかっている。
このような競争制約的な規制を全廃する医療産業分野における創造的破壊こそが、アベノミクスで期待されている成長戦略の鍵を握っている・・・。
(2014年2月20日、時事通信社発行「金融財政ビジネス」第10392号p12~17所収)