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Olympic Year、2020年を前に日本のこれからを考える

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はじめに:急激な人口減少と向き合って

11月26日、厚労省発表の人口動態統計では1~9月に生まれた子供の数は67万3800人、前年同期比5.6%の減少でした。この減少は、直近では1989年以来の大幅減少だそうです。既に年間の出生数がゼロという自治体も出始めているとか。そして近く公表される2019年の年間出生数は90万人を下回るとの予想で、人口減少社会が鮮明となる処です。(注)

(注)12月24日、厚労省が発表した2019年の日本人国内出生数は86万4千人、前年比5.92%と急減し、1899年統計開始以来、初めて90万人を下回った。(人口動態統計の年間推計)

ここで注目しておくべきは日本の少子高齢化の質的特徴で、日本の高齢化率が特に高くなっていくのは、長寿が要因ではなく、少子化が大きな要因だと云う事です。勿論長寿化、つまり平均寿命の延びも高齢化率を高める方向に働くわけですが、実際の処は先進諸国の平均寿命の相違はさほど大きなものでなく、特に大きいのは出生率の違いであって、その在り様が高齢化率を左右することになるのです。

そして、少子化進行の問題は、社会保障の支え手の減少に直結するほか、潜在成長率の低迷を招く恐れがある事です。人口減が予想より早く進む事態への備えが求められると云うものですが、その点、子供を安心して産み、育てやすい社会を作ることは勿論ですが、働き手が減少する社会が持続的な可能性を堅持していくためには、一人当たりの生産性の向上が官民とも、より重要なイッシューとなってくる処です…

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