終わりの始まり(4):EU難民問題の行方
EUの移民・難民にかかわる次の記事を書き始めている時に、TVニュースが、10月10日、トルコの首都アンカラの中央駅近くで大きな爆発があり、多数の死傷者が出たことを報じていた。訪日の旅から戻ったばかりのエルドアン大統領は、
オンコセルカ感染症とイベルメクチン
昨日、大村教授がノーベル医学生理学賞を受賞しました。オンコセルカ症は日本ではなじみのない寄生虫疾患ですが、その治療薬であるイベルメクチンの果たした役割を中心に論じでいきたいと思います。 オンコセルカ症は、Onchocec
知っておきたい債券税制の改正点
2016年1月から債券・債券投信についての税制が大幅に改正され、証券一体課税がようやく実現する。預金利子は含まれないので、金融取引一体課税とは言えないものの、証券取引についての税制が一本化されるのは画期的である。 個人投
本格的な武力紛争はどのようなシナリオにおいて生起するか?
武力紛争のシナリオを想定する場合、時期、場所、国際政治的な枠組みにある種の前提を置き、そのもとで生じうる紛争について、その主体と紛争の様相とレベルに応じて事態を分類する。その後、それぞれの事態ごとに、正面、時期、期間、戦
Uber(スマホを活用した個人間のタクシーサービス)に対する規制は是か非か
第14回の本コラム(P2P LendingとBanking 2014年9月30日)で言及したUber(ウーバー)は、P2P(peer to peer、個人間)で、タクシーサービスを安価・迅速に提供できる仕組で、スマホの
取締役の責任について ~東芝の教訓から~
東芝の粉飾決算事件を教訓として、もう一度、取締役の責任とは何かを考えてみたいと思います。「取締役は、違法行為が社内で行われないよう内部統制システムを構築すべき法律上の義務があるというべきである」という神戸製鋼所総会屋事件
終わりの始まり(3):EU難民問題の行方
今回の国連総会は、世界が次第に多くの面で、復元不可能な荒廃する局面へと移行していることを思わせる問題を提起したようだ。国連は持続可能な世界の構想を提示しているが、現実は違った方向に進んで行きそうだ。その象徴的問題は、いう
マハンの「海上権力史論」の概要
マハンがこの本に込めた思い マハンが、この本を書いた目的や意図は何だったのだろうか。マハンは、「海上権力史論」の刊行に当たって、次のように書いている。 「海軍大学で海軍史の講義の依頼を受けた時、最近の技術的発展の著しい海