ミサイル攻撃と国民保護!
1 初めに
国際社会の制止にも拘らず強行される北朝鮮による相次ぐ核実験やミサイル発射に対して、米国トランプ新政権は、オバマ政権の所謂戦略的忍耐策からの決別を宣言し、あらゆる選択肢がテーブルにあると明言している。一方、中国に対しては、経済関係の諸問題を一時棚上げしてでも北朝鮮に対して実質的な圧力を加えるように強力に求めており、さしもの中国も米国の意に沿う方向で圧力を掛け始めているように見える。
一方、北朝鮮は、軍事パレードで各種のミサイルや特殊部隊を登場させ、過激な言辞を吐いて、米国の軍事圧力には屈しないと云う姿勢を明確にしている。
斯様に、風雲急を告げる朝鮮半島情勢に日本政府も対策を講じつつあるようだ。ミサイル攻撃が俄然切迫感、現実味を増してきたことで、泥縄的(言い過ぎかもしれぬが、)であるが、対策が採られつつある。
①在韓邦人の避難・救出の検討・調整 ②日米共同訓練等による抑止力の誇示 ③国民保護の為の施策(都道府県危機管理者に対する指導、避難訓練の実施等の要請、ミサイル攻撃に際しての対処要領の周知徹底等)が報じられている。
本稿は、喫緊の脅威である北朝鮮のミサイル攻撃に対し、国民の保護を如何に確保するかについて検討するものである。
国民に与える被害を如何に最小限化するかという観点とミサイル攻撃を如何に抑止し、対処するかという観点があるが、被害の最小限化をメインとしたい。