右脳インタビュー 菊地 唯夫 ロイヤルホールディングス 代表取締役会長兼CEO 日本フードサービス協会会長
片岡: 今月のインタビューは菊地唯夫さんです。本日はロイヤルホールディングスの経営改革を中心にお伺いしたいと思っております。宜しくお願い申し上げます。
菊地: まずグループの概要を説明します。ロイヤルホールディングスは10の子会社を持ち、外食事業、コントラクト事業、機内食事業、ホテル事業の4つを主力セグメントに置き、全体で1300億円の売上げがあります。①外食事業はロイヤルホスト(239店:内FC16店)を中心に天丼てんや(175店:内FC27店)等も運営しています。売上高は628億円(2015年度)、経常利益31億円、総店舗数545店(2015年12月末)です。②コントラクト事業は特定の施設内でその利用者に食とサービスを提供する事業で、空港や高速道路のサービスエリアなど色々なところに置いています。売上高は329億円、経常利益11億円、総店舗数は234店です。③機内食事業は、売上高81億円、経常利益4億円です。④ホテル事業は「リッチモンドホテル」ブランドで全国35ホテルを展開(直営)、他2ホテルの運営支援・受託しています。売上高222億円、経常利益34億円です。
さて、私が社長に就任した2010年は、リーマンショックからまだ2年、苦しい時期でした。当時、社内は、利益をとるのか、それとも従業員やお客様の満足をとるのか、二者択一になって、それが会社自身を混乱させていました。本来、経営というものは、経営資源を預かり、それらを活用し、企業価値を最大化していく行為であり、二者択一ではありません。だから、そもそも、なぜ二者択一になってしまうのか、そのこと自体が問題です。過去を振り返ると、突然、このような混乱状態になったわけではなく、二者択一を重ね、どんどん乖離が進んで限界に達してきました。とすれば、仮説を立てて、今までの延長線上ではない、アプローチをしないと、答えが出ないはずです。