米中覇権争奪戦概観!
1 始めに
オバマ政権下で密かに囁かれ、習近平政権も色気を見せていたG2論も、米国のトランプ政権の誕生と共に色褪せてきた。中国は、驚異的な軍事力の増強と一帯一路構想とそれを支えるAIIBの設立により、世界覇権を狙っているかに見える。
これに対して、宥和的な米国が覚醒した観がある。米中貿易戦争が勃発し、それが益々激化する様相を見せている。中国の南シナ海の実効支配の動きに対して米国も警戒感を隠さない。
一見、協力的であるかに見える北朝鮮の非核化問題に関しても、米中の主導権争いが見え隠れする。
米中の世界覇権争奪戦というよりも正確には、米国の覇権に対する中国の挑戦というべきなのだろう。陰りが見え、凋落しつつある米国に、日の出の勢いの昇り龍たる中国が挑戦しているとみるべきなのだろう。それは、長いスパンで見れば、米中の世界覇権を掛けた戦いと云えよう。そういう意味において、敢えて争奪戦と云いたい。
米中の覇権争奪戦は、日本にとっても極めて重大な関心事項であり、日本の命運を左右するものである。正に日本自らの問題であるとすら云える。
本稿は、米中覇権争奪戦を概観したい・・・