原油安に揺れるロシアのエネルギー問題
はじめに
一国のエネルギー戦略は、自国のエネルギー資源腑存量および国内市場によってある程度規定される。その好例がロシア連邦だ。膨大なエネルギー資源はロシアにとって最大の戦略物資である。BP統計(2015年)によると、2014年のロシアの天然ガス生産量(578.7Bcm [1])は米国(728.3Bcm)に次ぎ世界第2位、埋蔵量(32.6 Tcm [2])はイラン(34.0Tcm)に次ぎ世界第2位である。原油生産量は日量1,084万バレルで、サウジアラビア(同1,150万バレル)に次ぎ世界2位、埋蔵量(1億320万バレル)は世界5位である。総輸出額に占める原油輸出額は約3割を占め、これに石油製品、天然ガス、石炭を加えるとそのシェアは約7割に達する。このためロシアはエネルギー資源に大きく依存するモノカルチャー経済の性格が強く、原油価格の変動に大きく影響を受けることになる・・・。