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世界経済 2021年の針路

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目次

はじめに 2020年 ‘年の瀬 ’の国際環境         ——–P.2

(1) コロナワクチン 接種始まる
(2)  連呼の脱炭素社会宣言
(3) `2020・11・3 ’ 後の米国

第1章   米経済の行方と、‘失われたアメリカの20年 ’ 診断    ——-P.5  

1.米経済の現状と今後の見通し
2.  ‘失われたアメリカの20年’ 診断
 ・米コロンビア大教授、Jeffrey Sachs氏
 ・欧米連携の復活

第2章  脱炭素社会へカジを切った菅政権と,          ——-P.7

習近平中国の地球温暖化対策

1.菅首相の脱炭素社会宣言
(1)脱炭素化と日本経済の構造改革
  ・菅政権と「構造改革」
(2)積極的な反応を示す経済界
(3)世界は一挙に脱炭素社会を目指す
  ・「パリ協定採択5周年」記念会議
  ・菅首相のグリーン外交
2.中国の地球温暖化対策、そしてそこに映る狙い
(1)習近平氏のカーボンニュートラル宣言
(2)米コロンビア大教授、Adam Tooze氏の警告

おわりに   次代のカギを思う                      —- P.12 

—————————————————————–     

はじめに  2020年 ‘年の瀬 ’ の 国際環境

OECDは12月1日、世界の経済規模が中国の成長回復が牽引する形で「2021年末までにコロナ禍前の水準に戻る」と、世界経済の見通し(2021年:4.2%, 22年:3.7%)を公表しました。同時に、感染再拡大が成長率を押し下げるリスクは消えておらず、金融財政政策による下支え、感染対策の継続を各国に求める処ですが、ワクチンなどの研究が進んでいるほか、各国の雇用や企業支援策で経済が回復しやすい状況を保っているとして、「コロナ禍が始まって以来、初めて明るい未来に向けた希望がある」とコメントするのでした。

では日本は如何にですが、同レポートによると、日本のGDPは2020年に5.3%減少した後、21年に2.3%, 22年に1.5%のプラス成長と見通す処です。輸出が戻りつつある他、東京五輪が無事開催されれば消費を押し上げるためとする一方で、企業の投資は弱含みと見る処、日本に対して「生産性や持続性を高めるための構造改革を進めるべき」と指摘する処です。因みに12月14日 公表された日銀短観では大企業製造業の業況を示す指標(DI)は、前回(9月)調査に比し17ポイント上昇、2四半期連続の改善でしたが、総合ではマイナス10とコロナ前の状況には未だしの状況です。 そんな「年の瀬」にあって、OECDが云うような期待を膨らませる動きが際立つ処です。まずはコロナワクチンの開発・承認、そして接種が始まったこと、次に主要国による脱炭素社会宣言、つまりカーボンニュートラル宣言が連呼されたことで、SDGs、世界経済の持続的成長に向けたベクトルが確かなものとなってきたということです。 そして、次期米大統領にバイデン氏が確定したことで、トランプ政治に代わる、国際政治の協調路線復活が見通されるようになったこと、も挙げられる処です…

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