Home»連 載»世界の目»コロナ禍の世界秩序の行方、日本に求められる行動様式

コロナ禍の世界秩序の行方、日本に求められる行動様式

0
Shares
Pinterest Google+

目次

はじめに  世界秩序のかたち      —————–P.2
 ・世界秩序は新たな流儀で
 ・民主主義国の連帯体制の構築

第1章 日本経済 コロナ禍からの脱出戦略     ———P.4
1.国民の不安解消こそが最優先の経済対策
 ・小林慶一郎氏の提言
2.脱出戦略のリアル
 ・コロナ危機は変革へのチャンス

第2章 日本経済 持続可能な成長への戦略     ———-P.7
1.` Great reset ‘  of  capitalism
 ・三つのAgenda
2.日本の ‘かたち’はSDGs対応がカギ
 (1)「令和2年7月豪雨」が再び示唆すること
    ・環境立国たるの宣言を
 (2)中期展望を欠いた「骨太方針」

おわりに 世界の指導者の優劣をはっきりさせたコロナ危機   ——– P.10
(1)安倍政府のコロナ対応は上手くいったのか
  ・モヤモヤ感の背景
  ・コロナ対策検証会議発足 
(2)メルケル首相は民主主義の実践者

—————————————————————–

はじめに 世界秩序のかたち

世界では行動制限を緩めて経済活動の再開を目指す動きが広がる中、感染ペースはむしろ早まっている様相にあります。6月28日、米ジョンズ・ホプキンス大によると、世界の新型コロナウイルスの累計感染者数は1000万人を超えたと発表。ブラジルなど新興国で新規感染が急増しているほか、先進国では米国で感染者が再拡大の様相です。翌29日に発表された世界のコロナによる死者数は累計で50万人を超えたとの由です。

序で乍ら、これまで新型コロナウイルスに負けない、強い大統領を誇示すべくマスクの着用を忌避してきたトランプ氏も、かかる状況に、マスク着用で公の場に現れる一方、多数の支持者を集める党集会は取りやめると方針の転換を示す処です。 OECDは6月10日、年内に感染が再び拡大した場合、2020年の世界の実質経済成長がマイナス7.6%に落ち込むとの予想を公表する処です。こうした世界経済のトレンドを高めているのが米中対立の激化であり、前号でも取り上げた通りですが、とりわけコロナウイルスとの闘いが、マスク、防護器具、人口呼吸器、ワクチン等を巡る戦いでもある点で、多くの国では、自国第一主義でそれらを奪い合う、言うなれば地経学的、即ち経済安全保障的な衝動すら露わとなる処、グローバル経済の核となってきたグローバル・サプライチェーンの国内回帰等が云々され、以ってglobalizationの終焉と総括されることの多い状況です。が、果してそうなのか。いやコロナ対応で各国は自身の防衛に向かい出したものの、パンデミクスの解決には国際的協力なくして在りえず、つまりinternationalな協調が不可欠と云う事で、事態は、いまそれに向かい出しているのではと思料するのです‥‥

Previous post

「我が国の歴史を振り返る」(47) 戦争は「石油」で始まり、「石油」で決まる。

Next post

「我が国の歴史を振り返る」(48) 「日米戦争」への道程(その1)