Home»オピニオン»中東と北朝鮮のリンケージ

中東と北朝鮮のリンケージ

0
Shares
Pinterest Google+

 

  • 「トランプ大統領のエルサレム首都認定」は、習近平に北朝鮮制裁強化を迫る変化球ではないだろうか。トランプは習に対してこう、囁いているに違いない。「習よ、金正恩の核ミサイル開発を阻止するために、協力を求めているが、これまでは真剣じゃないな。もっとマジメにやれよ。さもなければ、中東の原油価格を釣り上げるぞ。」、と。
  • JPECレポート2015年度第6回「中国の原油・石油製品の需給と輸出入動向」によれば、中国の原油輸入量は、2010年には2億3,931万トン/年となって、国内の生産量を上回り、中国の海外原油依存度は50%を突破した。また、中国の原油輸入先の構成比は2014年現在、中東が52.1%を占めている。
  • 今次「トランプ大統領のエルサレム首都認定」が、中東に波乱をもたらすことは間違いない事実だろう。そうなれば、少なくとも中東産原油の価格上昇をもたらすことだろう。さらには、情勢が悪化すればホルムズ海峡の危機化などで、原油の輸入量そのものまでも低減する恐れすら考えられる。
  • 中国の原油輸入先が中東に大きく依存している現状を考えれば、中国にとっては、今次「トランプ大統領のエルサレム首都認定」は、中国経済にとって大きな災厄をもたらす可能性が高い。
  • 「トランプは、中東石油を武器に中国の北朝鮮制裁強化を迫ろうとしている」というのが私の見立てである。
  • 中東石油の高騰は、世界のエネルギー市場の不安につながる。しかし、アメリカにとっては、国産のシェールオイルの価格高騰は、石油業界のみならず、アメリカの産業にとって、国際競争力を高める効果がある。アメリカは、サウジアラビアに肉薄するカタチで、いま原油生産をどんどん伸ばしているところで、「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプは、「北朝鮮問題解決の一助に加え『一石二鳥』の効果が期待できる」と読んだのだろう。
  • アメリカは馬鹿ではない、それどころか、世界随一の知恵者を擁しているうえに、ユダヤとつるんで陰謀の世界では傑出している能力を持っていると思われる。いずれにせよ、そんな世界規模の陰謀ができる国は、アメリカしかいない。まさに、「アメリカ恐るべし」、だ。
    中国の喉首を締め上げるのにマラッカ・ジレンマというものがあるが、マラッカ海峡を直接的に海軍(機雷)で封鎖する前に、中東を混乱させ、揺さぶり、石油の「元栓」を閉めるという戦略は実に巧妙だと思う。
    石油が高騰すれば、ロシアは、ウエルカムだろう。中ロを離間させる策にもなる。
  • 日本に及ぼす影響はどうだろう。原油価格の高騰は、日本経済に大きな打撃となろう。中国・ロシアとの関係改善を目論む安倍政権の外交に対する牽制効果もあるだろう。そのことは、韓国にも当てはまることだ。
Previous post

退職給付の官民比較と国際比較* ~老後貯蓄支援型マッチング拠出方式(日本版 TSP)のすすめ~

Next post

新(第二次)日英同盟の実効性を高めよ!