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国内外情勢を考える視点

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1 始めに

本稿は、NPO法人平和と安全ネットワークにおける山下塾第6弾のうち、国内外情勢を考える視点として取り上げたものである。

云うまでもなく、国内外情勢は、その事象のみで理解するものではなく、その背景或いはその依って来る所以、将又本質的なもの・与件なるもの等を基礎として理解することが必須である。然し乍ら、そのような明示されたものは寡聞にして小生は知らない。

国内外情勢を考える視点として、これらを提示してご指導・ご叱正を賜らんと、勇を鼓して筆を執ったものである。

諸氏の忌憚ないご意見を賜れば幸甚である。

 

2 視点3項目

国内外情勢を考える視点として、以下の3項目を考えればいいのではないかと考える。

 

日本の国家戦略・安全保障戦略の基本
地政学的観点からの考察
国家関係に重大な影響を及ぼす要因

 

以下、それぞれの項目について逐次に説明しよう。

 

3 日本の国家戦略・安全保障戦略の基本

日本の国家戦略・安全保障戦略を考える際の基本中の基本或いは前提と云うべきものを明確にしておく必要がある。日本国民ならば誰しも異論のないものが何かを検討してみる。

以下の6項目を列挙できる。

 

(1)奴隷の平和を甘受するのか?それとも自主独立を敢然と守るのか?

日本の国家戦略として疑う余地の全くないことは、国家は国民の安全・安心に対する責務を有しているということである。とは言え、我が国に対する侵略があった場合には、白旗を掲げてそれを受け入れても良いのではないかという一見暴論とも云える議論を真面目にする者が居るのも事実だ。果たしてどうなのだろう?

強大な戦力で、日本人の命は守るから降伏せよと迫られた時に、それに唯々諾々と従うのであれば、確かに人命は保証されるだろうが、それが果たして平和と云えるのか?それこそ、『奴隷の平和』と云うべきだ。人間としての尊厳が失われてでも命を長らえることが果たして善なのだろうか、大いなる疑問がある。命も生活も保障され、太った豚になってそれで果たして幸せなのか?

痩せたソクラテス即ち痩せてもしっかりとしたアイデンティティを持った個人が自らの運命に対して責任を持つような人生そして国家こそあるべき姿ではないだろうか?それは厳しい茨の道かも知れないが、それでも私共はそれを目指すべきだと強く思う。

一国のみで自国の安全を確保できないのであれば、価値観を同じくするものと共同して自国の安全を守ることを考えるべきだ。

無抵抗絶対平和主義とも呼べるイデオロギーは果たして正しい選択か?誇りのため、愛する者の為、己の信じることの為に敢然と戦うことは悪なのか?

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