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あと5日

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大統領選まであと5日。

ネットではこんな投稿が拡散しています。

* * *

『ヒラリーの長所:トランプではないこと。

ヒラリーの短所:ヒラリーであること。

トランプの長所:ヒラリーではないこと。

トランプの短所:トランプであること』

* * *

投票の間際になって何が起きたのでしょう。

ヒラリーの側近フマ・アベディン(Huma Abedin)女史。

ヒラリーの選挙運動組織(2016 presidential campaign of Hillary Clinton)の副議長を務めています。

Huma_abedin

(フマ・アベディン(Huma Abedin)女史;From Wikipedia)

彼女には別居中の夫がいます。

アンソニー・ウィーナー(Anthony Weiner)という元下院議員。

FBIは、ウィーナー元議員が15歳少女に性的なメールを送っていたとか児童ポルノの写真を所持していたとの疑いで、令状を取って元議員のラップトップPCを押収(今年10月3日)。

このPCの中に、650,000 通ものメールが見つかりました。

メールには彼の妻(別居中)のアベディン氏のアカウントのものも含まれていて、ヒラリーとのメールのやり取りも見つかりました。

ヒラリーのメールは数千通にも及ぶ可能性があると見られています。

これらの情報をFBI長官が10月28日に明らかにしたというもの。

(以上、ウォールストリートジャーナル紙;『こちら』 並びにNY Times紙;『こちら』

* * *

そもそもヒラリーのメール問題とは何なのでしょうか。

いちばん詳しく、かつきちんと報じているのは、少し長いですが Wikipediaの『こちら』の記事だと思います。

一部に誤解があるようなのですが、ヒラリーは、グーグルのGメールなどのメールを使っていたわけではありません。

ヒラリーは、3つのドメイン名を使ってメールを送受信していました。

clintonemail.com,

wjcoffice.com,

presidentclinton.com

の3つです。

これらのドメイン名はいずれもEric Hotehamという個人名で登録されていました(住所はニューヨーク州のヒラリーの住所)。

Eric Hotehamとはいったい何者なのか。

米国のメディアはいっせいにこの情報を追ったのですが、結局はよく分からず(ABC News の『こちら』の記事を参照)。

一方ヒラリーのメールサーバーは自前のもので、ヒラリーのニューヨークの自宅に設置させていました(2013年まで)。

それではヒラリーはなぜ国務省のメールでなく、特注のサーバーでメールを送受信していたのでしょうか。

ヒラリーに好意的な解釈は、『国務省のメールは○○年後といった具合にいずれは情報公開の対象となる。ヒラリーはそれを嫌った』というもの。

しかし何か隠すべき情報があって特注サーバーを使ったという見方も根強くあります。

下記の地図はリビア北東部港湾都市Benghazi(ベンガジ)を示すもの。

Photo

(Benghazi;From Google Earth)

2012年9月、このベンガジで、アルカイダと関係のあるイスラム組織によって、クリストファー・スティーブンス米大使、ショーン・スミス外交官、そして米Navy SEALsの元隊員であるタイロン・ウッズとグレン・ドハティの4人の米国人が殺害されました(ベンガジ事件;『こちら』)。

米国務省のDeputy Chief of Mission for LibyaだったGregory N. Hicks氏は25年間勤めた国務省を今年8月に退職、先月Fox Newsに出演(『こちら』)して、警備の増強を請う現地の要請が国務省に拒絶された事実を明らかにしました(注:Foxはメディアの中では珍しくトランプ寄りで知られています)。

ベンガジ事件が起きる前の月(8月)、国務省は現地の警備人員を34人から6人へと大幅に削減。当時の国務長官はヒラリーです。

Ambassador_christopher_stevens

(殺害されたクリストファー・スティーブンス米大使)

そもそもその前の月(7月)にクリストファー・スティーブンス米大使が13人の警備人員増員を頼んだにもかかわらず、国務省はこれを拒否して、逆に大幅に減員し、9月にスティーブンス米大使たちが殺害されるという事件に結び付いてしまったのです。

『俳優のベン・アフレックがヒラリーのメールアドレスを知っていたにもかかわず、スティーブンス米大使はこれを知らず、ヒラリーに直接危機を訴えようにも訴えるすべがなかった』

欧米のメディアはこう報じてメール問題にからめてヒラリーの対応を批判しました(『こちら』『こちら』)。

ベンガジ事件に関連してはいろいろな噂が報じられており、さらにはその1年前の反カダフィ部隊によるカダフィ殺害に関してもメディアでは様々な憶測が報じられています。

クリントンのメールはこうした種々の憶測との関連でも注目されるに至っています。

『トランプ、クリントン、いずれかが大統領になるよりは、ペンス、ケインのいずれかの副大統領候補が大統領になった方がいい』

とは私の知人の米国人A氏のコメント。

5日後が投票日です。

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