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福山隆

福山隆

元陸将 

1947年長崎県生れ。防衛大学校卒業後、陸上自衛隊入隊。外務省へ出向し、北米局安全保障課勤務、大韓民国駐在武官等を経て、1993年、連隊長として地下鉄サリン事件の除染作戦を指揮。陸上幕僚監部調査部調査第2課長、情報本部画像部長、西部方面総監部幕僚長、陸将を歴任後、2005年退官。ハーバード大学アジアセンター上級客員研究員を経て、現在はダイコー株式会社取締役。

主な著書
「空包戦記―陸上自衛隊新米「歩兵」小隊長奪戦録 」潮書房光人社 2014/12
『尖閣を奪え! 中国の海軍戦略をあばく 』 潮書房光人社  2013/7
『防衛省と外務省 歪んだ二つのインテリジェンス組織』 幻冬舎新書 2013/5
『防衛駐在官という任務 ~38度線の軍事インテリジェンス~』 ワニブックスPLUS新書 2012/6
『「地下鉄サリン事件」戦記―出動自衛隊指揮官の戦闘記録 』 光人社 2009/4

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 中国の南太平洋島嶼への接近・工作 中国は、米軍の太平洋正面の包囲環(第一列島線と第二列島線)を打通(突破)する努力と並行して、第一・二列島線の側面・背後に広がる南太平洋の島嶼国家(パラオ、マーシャル諸島、ナウル、ソロ

前回は、接近阻止・領域拒否戦略の概要、同戦略を採用した経緯・動機、同戦略の目的などについて説明した。引き続き、同戦略についての説明を継続する。  非対称戦争の追求 接近阻止・領域拒否戦略の最大の特色は、人民解放軍が米軍

中国人民解放軍の接近阻止・領域拒否(Anti-Access/Area Denial, A2/AD)戦略について、二回に分けて説明する。  接近阻止・領域拒否戦略の概要 人民解放軍は、台湾有事や尖閣諸島などの領土紛争がエ

前回まで、中国海軍の今日までの歩みと近代化の状況などについて説明した。次は中国の海洋戦略について述べたい。  習近平政権も海洋進出に強い意欲 中国海軍の近代化とその戦略は密接不可分である。中国海軍の近代化は、その戦略を

前号に引き続き、中国海軍の近代化の現状について説明したい。なお、前号では中国海軍は、①戦闘艦の戦闘能力のマルチ化の促進、②遠距離洋上の情報能力の強化、③潜水艦戦力の強化、④哨戒艇戦力の強化、⑤機雷・魚雷戦力の強化、に注力

以下、中国海軍近代化の方針について述べ、中国海軍の近代化の原状について、二回に分けて説明したい。  海軍近代化の方針 人民解放軍は、米軍を仮想敵として捉え、「『情報化』という条件下における局地戦」、すなわち、「高強度(

 世界を滅亡させうる12の大惨事 産経新聞が「核による大量虐殺か、小惑星の衝突か…世界を滅亡させうる12の大惨事」と題するショッキングな記事(2015年3月1日)を報じた。これは、人類を脅かす危険について問題意識を喚起

本稿では、中国海軍の近代化を促進する諸要因について考えてみたい。 中華思想 中国のイデオロギーは共産主義だけではない。もう一つのイデオロギーは中華思想である。中華思想とは、中国が宇宙の中心であり、その文化・思想が神聖なも