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移民(外国人労働者)について

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長期的な観点から、移民施策に関して、文化面と経済面から思考するする必要があると思う。

文化面

  1. インタネットの普及で、加速度的に人々の意識に変化がおきているのではないだろうか。ジャーナリストの目を通したマスメディアの情報から、直接当事者の情報が入手可能な時代になった。国やマスメディアよりSNSを利用する日本人が増えているが、彼らの意識は、国家を超えて、より地球市民的な意識をもった層が増えているといえるのではないだろうか。
  2. 約半世紀前、ロンドンのハイドパークのスピーチ・コナーで、あるアフリカ系の肌をした若者が木箱に立って演説し、ロンドンの白人に対して人種差別を痛烈に批判していた。すると白人が「ニグロよ、ロンドンが気に食わなければ、生まれた国に帰れ」とやじった。拍手も起きた。だが木箱に立つ者は、微笑みながら「私はロンドンで生まれたロンドン子で、ロンドンが私の故郷」と英国なまりの英語で切り返した。彼が二世だとすると、既に四世の世代がロンドンに生まれ、ロンドン子として育っているといえよう。
  3. 英国とはことなり、移民の国、アメリカでは、いったい誰が「生粋のアメリカ人か?」が話題になるが、一様に言えるのは、二世はすでにアメリカ文化に根差したアメリカ人である。一過性の外国人労働者の日本受け入れに伴い、定住する外国人の受け入れについて、日本社会の中に是非があるが、私は文化面からも受け入れ賛成であり、促進することを提案したい。
  4. 多様な価値観をもった人々が日本社会に溶け込み、二世が日本の教育を受けて育てば、日本の国籍を持った新しい日本人が父、母の育った国との懸け橋に成長することも可能である。日本の文化の継承と普及の担い手になることも充分ありうる。

経済面

  • 少子高齢化で日本国内の企業活動の維持継続に外国人労働者が必要なのはもはや差し迫った現実である。労働者不足を解決し、日本の産業の息吹を入れるのも、外国人労働者だ。さもないと、日本の中小企業の海外進出がより加速するであろう。
  • これも40年前の話だが、中東の石油ブームの折、私が勤務していた米国企業は一気に中東各地の港に事務所を開設、短期間で営業を開始した。人材は全米の150余の事業所から、中東出身者を選び、駐在させた。決断から実行まで短期間に実施できたのも、多人種、混住社会の賜物である。
  • 時間を経れば、外国人から内の外国人になり、企業人としての一体感を持つようになるであろう。。一人の人間として、日本社会の構成員になることでしょう。
  • 二世、三世は日本人として、日本の企業の担い手になることは十分考えられる。

何が課題なのか

  • 報道等による外国人のテロや外国人の起こす社会不安が社会心理としてあるといえよう。銃規制の徹底した日本は、米国とは全く社会環境が違う。また、欧州のように陸続きでない日本は、環境が違うといえよう。同時に格差社会が欧米ほどなく、失業率も少なく、ホモジニアスな社会において、異端児であることは難しく、外国人労働者も日本社会に溶け込むようが生活しやすいといえるのではないだろうか。
  • 何が期待できるか?
    日本企業で働けば、日本型資本主義を実体験する。渋沢栄一の合本主義、「公益を追及する使命や目的を達成するのに最も適した人材と資本を集め、事業を推進させる考え方」を理解するようになろう。今風に言えば「公益資本主義」、資本家のための会社経営でなく、ただ単なるお金儲けのための会社経営でなく、公益性をもった、倫理観を持った日本型資本主義を実体験し、将来その普及の担い手になることも考えられる。
    ただ単なる一過性の外国人労働者の受け入れに世論が一喜一憂するのではなく、国家百年の計で、考える必要があるのではないだろうか。
  • 私の専門分野の国際協力分野の視点からも、日本のNGOに勤務し世界の貧困削減の担い手、日本企業のBOPビジネスの担い手の人材層になる可能性は充分にあり、日本の世界への貢献に大いに役立つと確信する。

 

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