中国の外貨準備高
『中国の外貨準備高は今年6月末の時点で3兆2100億ドル。5年ぶりの低水準となった5月末時点から134億ドル増と予想外に増加、過去14ヵ月で最大の伸びとなった』(北京/上海 7月7日 ロイター;『こちら』)。
しかしながら増加したと言っても、この水準はピーク時(2014年6月)に記録した3兆9900億ドルに比べれば2割減。
下図の白線のように外貨準備高は2014年以降、趨勢としては減少を続けている(注:下図はクリックすれば約4倍に大きくなる)。
中国の人民元相場は前日比変動幅2%以内になるようコントロールされている。
それを超える変動があった場合には中国人民銀行が為替介入を実施するのだが、上図の青線のように人民元は対ドルで2013年末の0.165ドル/元をピークに減少を続け、最近では0.149ドル/元まで下がってきている。
中国の外貨準備高が趨勢として減少トレンドにあると言っても、世界2位の日本(外貨準備高1兆2700億ドル)を上回り、世界最大の水準にある。
為替介入を続ける余力はまだまだ有るというのが一般的な見方だ(もっとも中国人民銀行の発表する外貨準備高は必ずしも正確ではないという見方もある)。
いずれにせよ、中国の人民元は下落のトレンドにあり、外貨準備高もピーク時2割減のところまで下がってきている。
これが中国経済の先行きを暗示するものなのか、今後ともこういった指標に注目していく必要があるだろう。