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現代貨幣理論(MMT)の骨子

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1995年から2015年までの20年間の経済成長率で、日本だけがマイナスで、世界平均は139%増です。
すなわち、世界平均は名目GDPが2.4倍になっているのです。日本はマイナス20%でした。
1995年の日本の名目GDPは513兆円でしたので、世界平均の成長をしていれば、2015年の日本のGDPは1230兆円となっていたはずです。
これは、2015年の中国のGDPとほぼ同じ値です。
約513兆円のGDPの20年間の累積値は10260兆円です。
しかし、2015年に1230兆円に届くようなGDPの伸びを1995年から2015年まで行なっていたとしたら、20年間のGDPの累積値は17440兆円となっていました。
その差は、7180兆円です。
すなわち、財務省の世界最悪の財政政策(参考情報3)によって日本は20年間で7180兆円の富を失ったのです。
これは、20年間で日本国民1人あたり7000万円程度の富の喪失になります。
財務省が政治家に圧力をかけたり洗脳をしたり、マスコミを誘導して消費税を導入し、どんどんと増税するような事をしなかったのならば、日本は世界第2位の経済大国を維持できていたはずだと思います。

世界最悪の財政政策を実行し続けている財務省の主張を完全否定する理論が現代貨幣理論(MMT)です。

そこで、私が理解している現代貨幣理論(MMT)の骨子を説明します。

1. 貨幣の発行者は政府である。
2. 政府は貨幣によって税を民間経済から徴収する。
3. 貨幣で税を徴収できるためには、政府が先に民間経済に対して貨幣による支出をしていなければならない。
4. 銀行は借用書と引き換えに、借用者の銀行口座に金額を書きこんで預金通貨を創造している。ただし、通貨のすべてが預金通貨であるということではない。
(1)日本銀行は借用書である国債と引き換えに、日本政府の日銀当座預金に金額を書き込む。
(2)民間銀行は借用書と引き換えに、借用者がその民間銀行に有する口座に金額を書き込む。
5. 現在の経済活動において預金通貨の規模が最大である。
6. 日本銀行券は金兌換制度のあった時代は、金との交換をするという日本銀行の債務を示す債務証書であり、日本銀行券を持っている人にとっては金受領権証書とも言える。しかし、兌換制度の廃止された現在では、日本銀行券は金受領権証書ではない。現在の日本銀行券は価値受領権を法律で定めたものであると言える。
7. 預金通貨も日本銀行券も、価値受領権を示す情報であり、その権利の裏付けは国家権力である。
8. 政府による貨幣発行手段には、日本銀行券の発行、硬貨の発行、国債発行、政府紙幣の発行の4種類がある。
9. 政府にとって税は政府支出のための財源ではなく、経済の中の貨幣量の調整手段の1つである。したがって、政府支出のために税収が必要という事はない。

10.マネーストックと呼ばれる貨幣量(一般法人、個人、地方公共団体などの通貨保有主体(金融機関・中央政府を除いた経済主体)が保有する通貨(現金通貨や預金通貨など)の残高)を増やせば、需要が増加して供給が増加して経済活動が活発化する。マネーストックを減らせば需要が減少して供給が減少して経済活動が減退する。
11.日銀当座預金の残高をいくら増やしても、マネーストックが増えねば、インフレは発生しない。
12.自国通貨建ての国債は債務不履行になることはなく、無制限に発行できる。しかし、国債発行による預金通貨が増えすぎると、インフレが大きくなるので過度なインフレを避けるために、国債発行に限界が来る。
13.デフレ経済のもとでは、過度なインフレになるまでに発行できる国債発行額に大きな余裕があるので、日本政府は消費税を廃止して、国債発行によって政府支出を拡大していくことで、経済活動を活発化させて、潜在需要を満足させる供給を促すべきである。要は、今の財政政策の真逆をやるべきである。

MMTの骨子に基づいて、貨幣の本質を説明する。

貨幣の本質を映画館の仕組みを用いて説明します。この説明での座席券は貨幣に相当します。まず、全席自由席の座席が100席ある映画館を想定します。
すなわち、映画視聴サービスの供給力が100席分あるという事です。
ここで、視聴したい人が200人映画館に集まったとします。需要が200席分あるという事です。ここで、映画館が座席券を50席分しか発行しなかったとします。そうすると、映画を視聴できる人は50人にしかなりません。すなわち、座席券が不足しているという理由だけで、供給力の50%しか使われず、需要の25%しか満たせていないという状態が発生しています。このような座席券不足の状態が長期化すると、映画館側も座席100席分を維持することが困難となり、座席を50席に減少させるでしょう。逆に、座席券が200席分発行されていたとしたら、100席分の座席がすぐに観客でうまり、供給力の100%を使ってもまだ需要があるということが顕在化します。そうすると、映画館は座席数を200席にまで増加させる投資をします。逆に、座席数が100席あり、座席券が200席分あっても、視聴したい人が50人しか集まらなかったら、50席しか観客が埋まりません。この状況が長期化すると映画館側も座席100席分を維持することが困難となり、座席を50席に減少させるでしょう。
ここまでの説明でわかることは、座席券は供給力でもなければ需要でもないという事です。座席券は、需要と供給を結合させる機能として、座席券の所有者に対して、座席に座って映画を視聴する権利である価値受領権を与えます。すなわち、貨幣は価値受領権を示す情報であり、需要に対して供給を結合させる機能を持っています。
また、需要量に比較して座席券の数量が不足すると、本来は需要量が大きければ供給量を増やすために、投資を増やす方向に行くはずなのに、あたかも需要量が不足しているかのようになり、供給能力を縮小させてしまうという現象も発生します。これは、デフレ現象と同じです。すなわち、貨幣の供給量には適度な大きさというものがあります。物やサービスの需要量が供給量より大きいという供給不足の時に貨幣量を増やすと需要量をさらに増やすので、インフレになります。逆に、物やサービスの需要量が供給量より小さいという需要不足の時に貨幣量を減らすと、需要量をさらに減らすのでデフレになります。

(補足)価値受領権について

貨幣とは、不特定の相手から特定した量の価値を受領する権利(価値受領権)を示す情報(価値受領権情報)である。」との仮説を私は設定しています。価値受領権は権利ですので、国家権力を基盤として存在します。受領する権利であり、請求権ではないので取引相手の同意のもとで貨幣と引き換えに価値を受領できます。貨幣とは情報ですので、それが物質に化体した場合には金貨や硬貨や紙幣となります。貨幣を電子的に存在させた場合には、電子マネーとなります。

【参考情報】
1.【三橋貴明×ステファニー・ケルトン】概論、MMT(現代貨幣理論)
https://www.youtube.com/watch?v=sJG7gqRbsAI
2. 奇跡の経済教室【戦略編】 中野剛志 著

https://www.amazon.co.jp/dp/4584139067/
3. デフレ不況から完全に脱却し、日本経済を成長路線に乗せると同時に、財政再建を果たすために必要な財政政策に関する提言〈Ver.2〉(概要)
~思い切った財政出動を~
日本の未来を考える勉強会
https://www.andouhiroshi.jp/wp/wp-content/uploads/2018/05/62e04b2beb720db169bf64ec9d395bef.pdf

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