国際食糧市場における日本農業の課題 ~TPP発効と日本農業への影響~
2016年5月19日の講演資料です。
はじめに:「食」(食料品という財)の5つの特徴
- 絶対的な必需品(⇔食糧問題)
- 成人男子で一日2400キロカロリー この限られた間で需給がバランスすれば価格が安定
- 食品の飽和性(⇔農業問題)
- 消費能力に限界
- 必需性と飽和性という2つの相反する性格から、食品の適正供給量は非常に狭い範囲に限られる
- 安全性
- 農水産物を自分で調理していた時代には、消費者は自分の食べているものをよく知っていた
- しかし、フードシステムが複雑化すると、自分の食べている食品の安全性を確認することができないー食品表示問題、ブランドで評価
- 政府の役割も「食料の安定確保」から「食料の安全性確保」へ
- 生鮮性
- 時間によって生鮮度が落ちる(地産地消=くっつく農業)
- コールドチェーンが発達するとフードシステムが複雑化(離れる農業)
- 習慣性
- 幼少時代の味は忘れられない(食文化)⇒TPPでは非関税障壁に