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記事紹介:タックス・ヘイブン、不正蓄財

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タックス・ヘイブンと不正蓄財に関する「戦略検討フォーラム」の記事を二つご紹介します。

右脳インタビュー 戸田博史 :2014/12/1

…ロシアを取り込む最大のチャンスとなったのがベルリンの壁の崩壊です。これを機にロシアから富裕層の観光客がドッと押し寄せ、更に莫大なお金も持ち込もうとします。その中には国家資産をタダ同然で手に入れて莫大な資産をえたオルガリヒと呼ばれる人たちもいました…そこにもロシアやウクライナ人が鞄に現金をつめてやってきました。スイスはアカウントオープニングがまだ厳しいので彼らの多くは口座を作れなかったのですが、キプロスはそれを国是として受け入れます。元々イギリス植民地だったキプロスは、イギリス法とイギリスのアカウンティングシステムを最大の武器として、タックス・ヘイブンへと向かいます。勿論、彼らは絶対にタックス・ヘイブンだとは言いませんが…面白いことに、今でもロシアの最大資本輸出国はキプロスで、キプロスの最大資本輸出国はロシアです。つまり何が起きているかというとブーメランです。ロシアのお金を一回外に出してキプロスに持ち込み、イギリスのアカウンティングシステム、準拠法で守られるようにして、そのお金をもう一度ロシアに持って行って再投資する。キプロスは、いわば中継基地、カネの形、リーガルストラクチャーだけが変わる。つまり、普通のタックス・ヘイブンのようにお金を隠すのではなく、投資なども絡めながら寄って立つ根拠だけを変える。これはイギリス法のキプロスだからできる完璧なモデルでした。またこれくらい一つの国とバイでやっているのも極めて特殊です…

先進国の移民歓迎政策と中国富裕層の不正蓄財処理が見事に合致 (湾仔) 2012/12/1

中国富裕層の海外移転資産額:2009年より毎年100億元(約1,200億円)が海外に流れており、80%が米・加・豪、20%が欧州・Singapore・Malaysiaに流出していると中国の法制晩報が報じている。一方、移民数でみると英国に投資移民した中国人は2011年50~60人(英国では投資額を100万ポンド=約1億2200万円としているので、中国人は英国に一年間で50億円以上の資産を移転したことになる)。イタリアでは2011年中国の投資移民は50人で前年対比20%増(一人当たり最低10,000EUなのでイタリアだけで中国から60億円の資産が移動したことになる)。また、移民数の制限のある国では豪州が毎年約384億円、カナダが240億円、米国が360億円となっている。これに眼をつけ新たに投資移民政策の検討に入った国も多い。中国外交部は「中国の投資移民は世界の投資移民の一部で中国の国力増強を示している」と例によって裏の部分は伏せて、国威発揚を謳っている。…中国内の政治の不安定な状況が富裕層の富の保全方法に対する考え方に大きな影響を及ぼしていることは想像に難くない。良く報道されるのが「裸官」で、子供を欧米に留学させ、そこを根拠地として不正蓄財したマネーを留学生の国に送り、妻も送り、自ら一人で官位についている人のことだが、共産党の最高位の幹部の子弟もアメリカの有名大に留学している…中国ビジネスに汚職はつきものだが、報道されている汚職の金額がけた違いに巨額である点は驚きだ。中央から地方官僚迄すべてに汚職の機会があることが異常だが、一説によるとマネーローンダリングの総額は5,780~9,300億元より増えているとも言われている。このカネは地下銀行、輸出入のインボイス金額調整などで海外に流れ込むわけだが、受取国はいずれも歓迎しているであろう…

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