アベノミクス再起動という日本経済のリアル
― この8月2日は、アベノミクスフォロワーの筆者にとって極めて印象深い一日だった。IMFからは対日審査報告があり、日本政府からは本年度経済白書が公表され、いずれもが、共通してアベノミクスの問題点を指摘。一方、安倍政府は同日、新経済政策を発表。再び、「21世紀型」経済政策を‘売り’に、アベノミクス第3ステージへのシフトをみせた。ただその思考様式に映るものに「21世紀型」を示唆するものはない。その直前に出た英誌エコノミストは、3年半のアベノミクスは目標にほど遠く、言うなればレトリックだけが一人歩きしているだけと厳しく、また安倍政権のポピュリズム便乗型の政治姿勢にも懸念を示す。今再び、円高、株安に転じて市場は穏やかさを欠く。もはや円安頼りの経済からの脱皮が求められる処。そこで、エコノミスト誌の分析をも踏まえながら、報じられた新経済政策のリアルを検証し、再び政策展開のあるべき方向を考察することでアベノミクスの総括に代える。(2016・8・25)
目次
- アベノミクス総括 ― 英誌エコノミストが斬る —— 2
- Three-piece dream suitで決め込んだ日本経済
- 可能性は残されているか
- 「アベ政治のリアル」相関図
- 新経済政策―アベノミクス第3ステージのリアル —– P.5
- アベノミクス ‘再起動’と言う新経済対策
- 21世紀型?という新経済政策
- 中身より規模ありきの政策
- ミクロ経済政策の積極推進
- 新幹線計画が21世紀型投資?
- この夏、思うことー Open against Closed ———- P.9
- H.Kissinger のロジック
- Drawbridges up
- 安倍政治とNippon Kaigi(日本会議)
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