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米中貿易戦争の行方、安倍長期政権の行方

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― 目 次 -

 

序章  ドナルドの強権と、世界経済            ——– P.2

(1)米国と世界の断絶の瞬間

(2)絡み合う‘貿易と安全保障’

・トランプ通商政策と米通商拡大法(1962)

・‘新たな冷戦’状況に向かう米中関係

第1章  ‘新たな冷戦’に向かう米中関係        ——— P.5

(1)今、米中関係は新冷戦の瀬戸際

・対中報復第3弾発動で、リセットの米中関係

・ペンス米副大統領の対中‘三行半’演説

(2)米中経済と、米中貿易戦争の行方

・米中経済の実態

・米中貿易戦争の行方

・日中首脳会談と中国企業、華為技術(ファ-ウエイ)

第2章  安倍長期政権と日本の行方            ——— P.10 

(1)安倍晋三首相に問われる課題

・今、安倍氏に求められる行動様式

(2)日米貿易協議(FFR)の行方

おわりに 沖縄県知事選と日本のIdentity Politics   ——– P.12

             

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

序 章 ドナルドの強権と、世界経済

米国と世界、断絶の瞬間

ドナルド・トランプ米大統領は、自身就任後2回目となる、今次(9月25日)国連総会の一般討論演説に臨み「グローバリズムのイデオギーを拒絶し、愛国主義のドクトリンを尊重する」と言明し、「米国第一」の立場を改めて訴えたのです。

云うまでもなく、国連は第2次大戦の反省に立って恒久的世界平和、そのための多国間協調体制を目指すこととして創設された国際機関です。従って年次総会では加盟各国首脳が、その目的に向かって、すべき事を語る場であり、以って世界秩序の堅持を確認する場とされる場ですが、トランプ氏の発言はまさにそうした世界的規範に背を向けた、独善的な言動となる処です。元より戦後世界の秩序を支えてきた加盟各国からの非難を一斉に呼ぶ処、それはグローバル化の象徴的存在であった米国と世界との断絶を思わせる‘瞬間’でしたが、何か孤立化する我が身を楽しむが如きと映るのでした。メディアによると国連グテレス事務総長は昼食会で「我々は皆、世界市民でもある」と、トランプ氏に忠告した由でしたが・・・。

さて、その彼は、いま米議会の中間選挙(11月6日)を控え、自分ほど大きな仕事をした大統領はこれまでいないと、意気軒高、大統領就任以来2年、政策実績を誇示する処です。

確かに2016年大統領選での公約は相応に実現されては来ています。グローバリズムを拒絶する姿としてTPP、パリ協定等、国際的枠組みからの離脱方針を相次いで表明する一方、不法移民の取り締まり強化、サウスボーダー(国境)の壁建設等々も進め、大減税をも実施、更には、‘雇用の確保’、国内産業保護を名目に、WTOルールを顧みることなく、米国と関係二国間の貿易交渉を進め、製品輸入の抑制を実行してきています…

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