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冊封(さくほう)・事大(じだい)主義・小中華思想

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朝鮮半島の地政学・第一則――「大陸国家・中国への従属性」から、派生する中朝関係は「冊封」であり、朝鮮人の「事大主義」と「小中華思想」につながる。今回はこれについて説明する。

 イデオロギーとは
インターネット最大の情報サービスであるYAHOOの「知恵袋」に、「イデオロギ-という言葉の意味をできるかぎり易しく教えると」と題して、次のように説明している(筆者が編集)。
「エネルギー、イデオロギー。ちょっと2つの言葉を並べて書いてみました。並べて書くとなんか似ているぞって思いませんか。『エネルギー』というのは説明しなくてもわかりますよね。ものを動かす力の元になるもの、つまり燃料のことです。『エネルギー』が、ものを動かすための燃料なら、「イデオロギー」はなんのための燃料になるでしょう。そう、心を動かすための燃料です。イデオロギーは世界観で、極めて政治的で、闘争的な観念である」

 中華思想というイデオロギー
イデオロギーは、上記説明のように、政治的で闘争的な世界観である。このように見れば、中華思想はまさしくイデオロギーそのもので、「中国人の心を動かすための燃料」の働きをするものだ。
では、中華思想とはどんなものか。世界四大文明の一つである黄河文明以降、長きに渡って中国の歴代王朝は東アジアの先進国として君臨し続けた。そんな歴史の中で育まれた中華思想は、自分達(漢民族)は、宇宙・世界の中心であり、自分達の文明こそが最も進んだ文明であるという自民族中心主義の思想である。漢民族とは異なる辺境の異民族を文化程度の低い禽獣(鳥やけだもの)であるとして卑しむことから華夷(かい)思想とも呼ばれる。華夷思想では、中国の東西南北に住む異民族を、次のように区分し、位置付けている。
① 東夷(とうい)――日本・朝鮮などの東方諸国で、貉(むじな)の同類。
② 西戎(せいじゅう)――西域と呼ばれた諸国で、羊の同類。
③ 北狄(ほくてき)―― 匈奴・鮮卑・契丹・蒙古などの北方諸国で、犬の同類。
④ 南蛮(なんばん)――東南アジア諸国などで、虫の同類。

 歴代の中国王朝と朝鮮王朝は「親分・子分」の関係
前回説明したが、現在の中国と朝鮮半島(南北朝鮮)を比べれば、国土の面積は約44倍、人口は約18倍となっている。両者はこんなに“体格”が違ううえに、中国は中華思想という独善的・狂信的な思想を持っている。陸続きでこんな“隣人”をもつ南北朝鮮は本当に気の毒だと思う。
こんな訳で、中国の歴代王朝と朝鮮半島に派生した王朝の関係はいわば「親分・子分」の関係だった。中国歴代王朝の「天子」と朝鮮歴代王朝の「長」の「親分・子分」の関係のことを中国では冊封と呼んだ。中国でいう「天子」とは、「天命を受けて、中国のみならず、近隣の諸国諸民族(東夷・西戎・北狄・南蛮)を支配・教化する使命を帯びた君主」のこと。中国の歴代王朝の君主(モンゴル帝国、清朝を含む)たちは天子として自ら任じた。冊封が「親分」側である宗主国からの行為であるのに対し、「子分」側は、「朝貢国」と呼ばれ、「臣」の名義で貢品を献上し、中国の「天子」の元号と天子の制定した暦を使用
した。貢物(「方物」と呼ばれた)の例としては、黄文雄著の『中国・韓国の歴史歪曲』(カッパブックス)によれば、朝鮮は清国に毎年、牛3000頭、馬3000頭のほか、朝鮮各地で選り抜いた美女3000人が含まれていたという。

 事大主義
大辞林によれば、事大主義とは、「勢力の強い者に追随して自己保身を図る態度・傾向。朝鮮史では朝鮮王朝のとった対中国従属政策をいう」とある。
面子に拘る朝鮮民族ではあるが、歴代の中国王朝と朝鮮王朝の間の極端なまでにアンバランスな国力の格差を考えれば、事大主義に徹し、強大な中国から「家来や子分」のような屈辱的な扱いを受けても、それを受け入れ、耐えざるを得なかったのは、むべなることと思う。もしも、歴代朝鮮王朝が、事大主義を潔しとせず、節を曲げずに中国に徹底抗戦していれば、半島の朝鮮民族は抹殺されていたかもしれない。
筆者は、1990年から93年まで韓国で防衛駐在官として勤務した。韓国では、国花の槿(ムクゲ)よりも、レンギョウのほうが好まれる。レンギョウは冬季・厳寒の中では、枯れ枝の藪のように見えるが、春が巡ってくれば、真っ黄色の花が鮮やかに咲く。朝鮮民族(韓国)は、第二次世界大戦までは、強国の間で隠忍自重し、屈辱に耐えていたが、戦後急速に発展した。韓国勤務時代の筆者の目には、韓国の発展と、春に咲き誇るレンギョウの花が重なって見えたものだ。

 小中華思想
人間が生きるためには、「密かな誇りや自負心」が必要なのでは。強大な中国から「家来や子分」のような屈辱的な扱いを受け続ける朝鮮民族も、そう考えるに違いない。そんな思いを満たすのが小中華思想なのだ。朝鮮民族は自らを中国に次ぐ文明国である「小中華」と自負し、より周辺(遠く)に位置する日本などを夷狄(野蛮な国)と見下す小中華思想を案出し、中国に対する劣等感を緩和した。
そんな思いで見下していた日本が、1910年から45年までの35年間も大韓帝国を併合し、敗戦後も急速に経済発展を続けている。一方の韓国は、未だに南北分断の状態で“骨肉相争う”を続ける有様だ。日本に対して深い嫉妬と恨みを持ち続けるのは当然だろう。

(おやばと掲載記事)

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