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「投資」を考える⑤ イノベーション推進のための要諦 「ノリッジ・サプライチェーン・マネジメント」の基本

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イノベーションを推進するにはまず「良い目利き」が必要で、そのような人を見つけさえすれば、ベ ンチャー投資が大成功するかのように思われている。しかし、筆者の見解は異なり、まずもってこのよ うな「目利き」が居ると思うのは幻想に近い。例えば、当たれば儲かるアルツハイマー治療薬だが、こ れまで恐らく千を超える案件が持ち上がり、盛んに投資されたが、結果は「全滅」だ。アルツハイマー 病についてはエーザイの「アリセプト」など「進行を遅らす薬」が4件承認されただけで、根治する薬 品はいまだ存在しない。言い換えれば候補が千あっても、当てることのできた「目利き」は一人も居な かった。天才に近い能力を持つ科学者が「これだ」と言っても当たらなかったのだ。
イノベーションを成功させるのに最も必要な人材は、筆者の観点からすると、むしろ「ノリッジ・サ プライチェーン・マネージャー」だ。それは「一つのアイデアが生まれてから、それを商業化するまで の過程に必要とするあらゆる経営資源を抽出し、掻 か き集め、タイミング良く組み合わせ、商業化という ゴールまで導くことのできる道案内」を指す。お金も重要だが、それは必要とする経営資源の一つにす ぎない。イノベーションを成功に導くということは、「地道」に「辛抱強く」、困難に直面しても諦める ことなく続けるという、極めて人間的な仕事で、「天才」にできるという種のものではない。本稿では この「ノリッジ・サプライチェーン・マネージメント」の要諦に関して解説を試みる・・・。

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