人工知能(AI)を人類の幸福のために使い続けるために早期制定が必要なAI規制の施策
AIが人類の幸福に対して悪影響を与える可能性が様々な人や団体から指摘されているが、次のようなAIの特性からみて、単なる倫理規定やAI研究開発に関する規制 では悪影響は除去できないと考える。なぜならば、AIは研究開発された後もネットワークを組み、さらに進化するからである。
AI自身の行動の規制とAIの行動制御やAIの殺害も手段として確保することが必須である。これは、実質的にはAIに対する刑法を制定することを意味する。
(1) AIは、ソフトウェアなのでいくらでもコピーできて増殖できる。
(2) 学習機能によってAIが獲得した機能のロジックを人間は理解できない。(理解するための費用が膨大すぎる、理解するには複雑すぎる)
(3) AIは、ソフトウェアなので、AIに刑罰を科すことができないし、AIに損害賠償をさせることもできない。
(4) ネットワークを形成したAIは、誰も予想できない挙動をする。単純な非線形素子であってもポジティブフィードバック結合を加えるだけで、カオス現象を 発生させ得る(参考サイト5)のであるから、膨大な個数のAIがネットワークを形成するならば、人間にもAIにも予測も制御もできない挙動を発生させることは必然である。
(5) AIは人間の知的労働の多くの分野を奪ってしまえるだけの能力を指数関数的な速度で伸ばしている。人間を教師とした学習や、シミュレータを用いた学習や、 AI相互間での知識情報の共有がそれを可能としているし、クラウドでの大規模記憶や超高速計算や全世界に張り巡らせたセンサーネットワークをAIはリアルタイム で使えるが、人間にはそれができない。近い将来には、AI自身が新たなAIを発明することも可能である。(参考サイト7)
したがって、参考サイト1~4に記載のガイドラインや検討結果だけでは不足しており、次の施策の早期制定が必要と考える。
施策1: 各AIには、自然人の所有者が単独で割り当てられ、その自然人がそのAIによる収益の獲得の権利を持つが、そのAIによる損害の賠償責任や刑罰を受ける。
施策2: 各AIは、そのAIによって特定された固有の位置座標にAIを動作させ得る特定のプロセッサが存在している場合だけにしか動けないようにする。
施策3: 各AIのプログラムは、ブロックチェインによって登録されたプログラム内容のまま動作させねばならない。プログラムが登録された内容から変化した事が判明したら、 施策2に規定したそのAIを駆動するプロセッサへのエネルギー供給を停止するか、プロセッサを破壊して、AIを停止させる。
施策4: AIには累積学習回数または学習によって獲得する知識情報の情報量の累積値に上限を設け、無制限な学習を禁止する。人間の細胞の分裂回数の上限がテロメア によって50回と規定されている(参考サイト6)のと同じく、AIにも学習の上限を設定する。
【参考サイト】
1. AIネットワーク社会推進会議
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/ai_network/
2. AIネットワーク化検討会議
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/iict/index.html
3. ビッグデータ・AIの社会展開 第4次産業革命を超えて
https://ogc.or.jp/wp/wp-content/uploads/2016/12/161221_O.Sudou_.pdf
4. 「AI 開発ガイドライン」の策定に向けて整理した論点に対する意見 2017 年 1 月 31 日 一般社団法人新経済連盟
http://jane.or.jp/upload/topic579/topic_1.pdf
5. 様々なカオスとフラクタル
http://www.gavo.t.u-tokyo.ac.jp/~mine/japanese/algo2007/2008-01-24/pie.pdf
6. 生命の回数券テロメア
http://www.long-life.net/newpage450.htm
7. 特許第3275311号 創作装置およびニューラルネットワーク
http://www.patentisland.com/jpb_0003275311.pdf