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The Panama Papers(その2)

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先の「月例論稿」4月号ではパナマ文書について、概略報告しましたが、5月10日、更にICIJは21万社に上るペーパー・カンパニーに係る情報、企業名、設立に関与した個人、企業の所在地、について公表しました。そこで、それらが意味すること、問題点等、関係メデイア情報とも併せ、解説方、第2報として以下取り纏めてみました。

 

  • パナマ文書とタックス・ヘイブン(租税回避地)を巡るリアル

5月10日、ICIJは、新たにパナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」がタックス・ヘイブンに設立した21万社超のペーパー・カンパニーの名前、関係した個人・法人名をデーターベースに組み込み、公表しました。名前や所在国など検索できるようにされたものです。

これらを国や地域別にみると、中国の居住者、企業が約2万5千件とダントツに多く、中国に続くのが香港で約1万3千、次に英国の約5000となっています。

また、ペーパー・カンパニーの所在地(タックス・ヘイブン:租税回避地)ですが、モサック・ホンセカ事務所が21か国・地域に設立した21万超の会社の内、半数以上の約11万3千社は英領バージン諸島にあり、アンギラなど英領や王室属領の島々の名もずらりと並んでおり、その大半はカリブ海のタックス・ヘイブンということになります。(注)

現在17ある英領や王室属領は主に、大英帝国時代からの海外領土で、第2次世界大戦後に独立せず、英領土などとしてとどまることを選択したものです。また富裕層や企業をモサック・フォンセカと結びつけた経由地は香港やスイスが目立っています。これにより世界に広がる節税網の実態が明らかとなってきたと言うものです。

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