本田圭 パレスチナ問題について
片岡: 今月のインタビューは本田圭さんです。本日はパレスチナ問題について、市井のパレスチナの若者の視点を中心に、お伺いしたいと思います。宜しくお願いします。
本田: 宜しくお願いします。私がパレスチナで勤務をしたのは2015年12月から2018年5末までの約2年半でした。それまでにも中東には何度も足を運び、また数か月の滞在経験があったものの、年単位で暮らすのは初めてでした。パレスチナ、イスラエル、ゴラン高原というそれぞれに特徴あるメンタリティ、もしくはアイデンティティを持つ様々な人々が、対立要素を常に孕みながら、時には暴発させ、時には慎重に、また時には共存して日常生活を送るエリアを活動範囲としていましたが、この時に得た経験は、彼の地で暮らしたことのない人に伝えるのはなんとも難しく、また自分が接した人々のアイデンティティの強さや感情に影響されることも多くなるため、あくまでも「私という人間から見た景色」ということで、偏ったものになってしまっているかもしれません。そして、その偏りは、それがいくら僅かなものであっても、常に他方から強い批判を浴びる可能性を含んでいるため、この地域のことについて語ることは難しいので避けていましたが、せっかくの機会ですので少しでも、お話できればと思います…