これってバブル?
バブルの問題は、その渦中にいるときには、我々のような凡人には、「それがバブルであると気づきにくい」ことだ。
だから我々は「これってバブル?」と常に問いかけるようにしないといけない。
バブルはやがて弾けて終焉するし、気づかないでいると弾けた時に、大きな痛手を受けてしまう。
かつては「マエストロ」と称され絶賛されていたグリーンスパン元FRB議長も、今になってみると、「当時、米国の住宅バブルに気づかず、(2006年6月を最後に利上げを行わなくなり)、それがリーマンショックに結びついた」と批判されている。
(注:左側が Fed. Fund Rate、右側が Discount Rate;出所は 『こちら』 )。
FRBのイエレン議長やその関係者たちも、おそらくは「グリーンスパンと同じような轍は踏みたくない」と考えているのだろう。
次の利上げのタイミングに関して、ここにきてニューヨーク連銀のダドリー総裁やサンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁が相次いでコメントするようになってきた( 『こちら』 )。
* * * *
話は変わるが、中国人来訪者たちによる日本での爆買いも一時の勢いを失くしてきているという。
よく考えてみれば分かることだが、大きな客船が岸壁に横付けされて、ものすごい人数の中国人来訪者たちが、手に持ちきれんばかりの品物を買い漁って中国大陸に持って帰る―この状況は尋常ではない。
今年の1月私は韓国に出張したが、金浦空港でも同じような光景を見た。
(上図は1元のドルベース価格推移;昨年後半より下落が続く)
こうしたことが起きるのは次の3つの理由の何れかだ。
【1】 中国の元が不当に高く評価されている
【2】 日本円や韓国のウォンが不当に安く評価されている
【3】 上記【1】と【2】の両方の現象が生じている
要は元高バブルだったのか、円安バブルだったのか、あるいはその両方だったのか。
爆買いといった異様な状況はいずれは弾ける運命にある(もしかすると、もうすでにかなりの程度で弾けているのかもしれない)。
爆買いを期待して経営を舵取りしてきた企業や、これを町興しの一助にしようとしてきた地方にとっては、これから先、難しい状況が訪れることになるかもしれない。