3年前の4月4日
昨晩は日経CNBCテレビの「日経ヴェリタストーク」に出演しました。
トピックスは『不動産 いつか来た道 ~ マイナス金利の副作用』について。
ちょうど3年前の昨日(2013年4月4日)、日銀は「量的・質的金融緩和」の導入を発表しました。
当時、日銀副総裁は、国会での所信聴取(13年3月5日)で、2%の物価目標の達成について日銀が全面的に責任を持つ必要があるとした上で、今後2年間で目標を達成できない場合は辞職する意向を示しました。
その心意気に人々は共感し、日銀の本気度を信じました。
こんどこそ物価は2%程度上がるに違いない、デフレは脱却できると信じたのです。
そしてバズーカとの名で親しまれた政策は当初は上手くいきました。
物価が(少しですが)上がり始めたのです。
しかし翌年の消費税増税(14年4月1日)が予想以上に人々の消費マインドを冷やしてしまったのかもしれません。
物価の2%上昇はついに果たせぬまま、あれから3年を経過してしまいました。
最近では株価も冴えない動きを見せています。
『これはひとえに海外要因のためだ(国内はいいのだけれど)』と解説する人がいますが、本当にそうでしょうか。
たとえば日経平均は昨年末比▲15%下落(19,033→16,123)しています。
新興国などの海外要因がこの原因であるとすれば、米ダウ平均株価はもっと下げてもよかったかもしれません(ダウ30銘柄の平均の方が海外売上高比率が高いと考えられています)。
しかしダウ平均株価は昨年末比 2%上昇(17,425→17,792)。
「日経平均が▲15%下落しているにもかかわらず」です。
こうしてみると日経平均の下げは海外要因ではなく、実は日本要因なのかもしれません。
次に日銀によるマイナス金利政策を見てみましょう。
日銀がマイナス金利導入を発表したのが今年の1月29日。
日銀総裁はマイナス金利政策は「効果をあげるのに時間がかかる」と語っていましたが、いったいいつまで待てば期待していた効果が出てくるのでしょうか。
すでに発表後2ヵ月以上を経過しました。
たしかに金利は下がりましたが、肝心の景気や物価上昇率はどうでしょうか。
この間、株価は▲5%下落しました(1/28 終値 17,041→4/4 終値 16,123円)。
同じ期間、米ダウ平均株価は16,069→17,792と11%上昇。
為替も118円から111円へと7円ほど円高になってしまいました。
とくに打撃を受けたのが日本の銀行株。
以下、左側が1/28の終値、右側が4/4の終値です。
みずほ 209 → 160 (▲23%)
三菱UFJ 627 → 509 (▲19%)
三井住友 4050 → 3300 (▲19%)
「市場のことは市場に聞け」 と言います。
こうしてみると、市場に聞く限り、株価にしても為替にしても、マイナス金利政策は上手くいっていないように思えるのですが・・。