2019 米大統領一般教書演説と混迷の米国、そして日本は
-目次―
はじめに:「スローバル化」する世界 ——P.2
・Slowbalization (スローバル化)
・スローバル化する世界のゆくへ
・本論考のシナリオ
第1章 2019年、米大統領一般教書演説、
混迷のトランプ政治 ——- P.4
1.米大統領、一般教書演説
・融和姿勢を演出したトランプ演説
・「非常事態」宣言―それは世界の民主主義全体にとっての危機
2. Americans’ new threat
―米国を覆い出した?新たな脅威
・New Callsの内実
第2章 米中対立構造の行方、日本の使命 ——— P.8
1.米中対立構造はハイテク覇権戦争
・An iron curtain in tech supply chains is a real risk
・中国企業「華為技術」の起訴
・China will not overtake America any time soon
2.メルケル独首相訪日の意味、日本の使命
・日独関係強化 /・日本の使命
おわりに 極めて気がかりな安倍晋三氏の行動様式 —- P.11
・the uses of nostalgia
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はじめに 「スローバル化」する世界
2月5日付日経、第1面では製造業の国内回帰が進んでいる旨を報じる記事が走っていました。内容は、これまで日本の製造業が海外で販売するには現地に工場や販売網を築く必要があったが、ネット通販や越境ECの普及で、現地に資産を持たなくても販売できる環境整備が進んできたことがその背景にあると云うのです。これはあらゆるモノがネットに繋がる「IoT」など最先端の生産技術を導入し、生産性を高めれば国内賃金水準でも国際的な競争力を維持できるとの判断に負うものと指摘する処です。そして、近時のアジア、とりわけ中国からの訪日旅行者の帰国後も続く需要の拡大を見込んだ、日用品や食品メーカー、資生堂、ライオン、花王、日清食品、等々が国内での増産体制に入った、「日本製」のアジア輸出加速と書きたてるものでした。
これまで日本企業は人件費の安い新興国に生産を移してきたが、海外の人件費上昇や消費市場への転換を受け、国内工場に再投資を行い、輸出拠点とする動きが広がってきた結果とするのですが、新たな国際環境に照らした、日本企業の機敏な戦略対応と云う処でしょうか…