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ジム・ロジャーズの教訓から我が人生を顧みる

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ジム・ロジャーズと言えば、世界三大投資家とされる人物で、筆者のような貧乏学者にはあまり縁がなさそうに思えるが、この1月(2019年)に『お金の流れで読む日本と世界の未来』と題する著書が刊行され、ついうっかりAmazonで取り寄せてみてパラパラめくってみただけで、物書きとしても恐るべき人ではなかろうかと思ってしまった。翻訳では「 はじめに」とされている冒頭の6頁で、次の4点が簡潔にして要を得て指摘されていたからである。1.歴史を見ながら将来を予測すること、2.歴史は韻を踏むように、全く同じではないが、少しずつ形を変えながら反復をし続ける、3.1920年代アメリカで起き、1980年代日本でも起きたバブル崩壊の経験から学ぶべきで、「今度は違う」という思いこみは危険な兆候であること。4.最後に、この3点から「人と同じ思考をするな、変化に対応せよ」とした上で、「人と異なる考え方をすれば、他の人には見えないことが見えてくる。それが成功への第一歩だ。もし、周りから自分の考えを馬鹿にされたり、笑われたりしたら、大チャンスだと考えればいい。人と同じことをして成功した人は今までいないのだから」とまで断言している。

更に、「人は歳を重ねるごとに、変化に対応するのが難しくなる。しかし貴方がたとえ四〇代ですでに仕事上の地位を確立していたとしても、変化を拒んでいれば何れ職を失うことになるだろう。」とまで言われても、本稿執筆時点後半年ほどで卒寿を迎える筆者からすれば、苦笑いを誘われるほかないわけだが、周りから自分の考えを「馬鹿にされたり、笑われたり」というよりも只々呆れられながら年老いた筆者からすれば、まだまだこの世界三大投資家の足元にも及ばないながら、学問の世界ではそれなりに「変化」に対応してきたのではなかろうかと、閻魔様の前で大見得を切る積りがないではない。特に、筆者の専門領域である労働問題の研究者の圧倒的多数が、筆者からすれば「金太郎飴」の様相を呈すると嘲笑ってきた自称「一匹狼」の筆者の気概を示すべく、卒寿を前に遺著を纏めるべく苦闘の日々が続く昨今である。

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