「新型コロナウイルス感染症に学ぶ ~欧米とのリスク対応の違いを見据えた戦略的対応の必要性」
■はじめに
この度の新型コロナウイルス感染症による世界的パンデミックは未曾有の経験であり、まだ始まったばかりで終息にはどれどけの年月がかかるか予想もできないと言われています。この段階で企業にとって最適な対処法を述べるには時期早々ではと思いながらも、欧米企業の新型コロナウイルス感染症に係る保険への関与並びにTop management主体による新型コロナウイルス感染症防止対応事例を踏まえると、日本企業のTop managementによるコンプライアンス違反事件や新型コロナウイルス感染症に係る保険でなすすべもない日本企業の現状下、役員に求められている「善管注意義務」の自覚の徹底を願いつつ、リスクマネジメントの見地から私見を述べたい。 東日本大震災におけるT社福島原発事故以降、良く使われる言葉に「想定外」があります。今回の新型コロナウイルス感染症もそうでしょうか。過去にはペスト、スペイン風邪等世界的パンデミックや地域限定的ではありながらもSARS やMARSを経験していることから、このような感染症には本来対処できる知識と知恵があったはずではないかと思う次第です …