核兵器禁止条約加盟に関する論考! (副題:日本は核兵器禁止条約に署名・批准すべきか?)
1 始めに
核兵器禁止条約(英語: Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons または Nuclear Weapon Ban Treaty)は、核兵器の全廃と根絶を目的として起草された国際条約である。正式には、「核兵器の開発、実験、製造、備蓄、移譲、使用及び威嚇としての使用の禁止ならびにその廃絶に関する条約」である。
今年も、73回目の8月6日及び9日が訪れ、広島・長崎では平和祈念式典が挙行された。安倍首相が核兵器禁止条約に触れなかったこと、日本が一向に同条約に署名し、批准しないことにマスコミや野党・識者・被爆者或いは平和団体は一斉に厳しく批判している。唯一の被爆国として、同条約に署名し批准して、世界を主導すべきであると云う。
オバマ前大統領の広島訪問に感動・涙し、国連事務総長の今年の式典参加に意を強くした人も多いのだろう。今年は核兵器禁止条約の採択から1年という節目であり、期待感がいやが上にも高まったと云える。
日本政府は同条約には参加しないと云い、一方には、理想論、人道・人権絶対善主義の下、同条約を積極的に評価し署名・批准を求める大きなうねりがある。斯様に、核兵器禁止条約に関して、国民の意識・認識が分断されているようだ。
核兵器禁止条約に如何に対応すべきかを、情に流されることなく、冷静かつ現実的に検討する必要があるとの問題意識の下に本稿を纏めたものである。現下の状況打開に幾何かの寄与が出来れば幸甚である…。