過度なインフレを防止するための経済自動ブレーキが、PB黒字化目標撤廃によるデフレ脱却を可能とする
【概要】
現在の日本の財務省主導の財政運営は、「運転能力の衰えた高齢者が事故を恐れるあまり、消費税というサイドブレーキをかけたままで走行しようとしてエンストをしている」のと同じである。そこで、高齢者の運転を支援する特許技術を参考にしてこの財務省主導の世界最悪の財政政策(参考資料1)の改善方法を探ってみた。
消費税法と地方税法を改正して、過度なインフレの時だけ消費税がかかる「経済の自動ブレーキ」を実現すると、PB黒字化目標を撤廃もできるし、国債の日銀引き受け又は政府貨幣発行を行なって減税(例:消費税0%)および政府支出の拡大(例:追加財政出動30兆円×10年間)をするという財政運営もできるので、その方法を示す。
【内容】
【参考となる特許情報】
特許情報プラットフォームのJ-PlatPatで、次の検索式で自動ブレーキによる運転支援システムの特許公報の要約文を検索した。
自動ブレーキ and 衝突 and 防止
21件の特許公報が検出できた。その中で、請求項から見て基本特許と言えるダイハツ工業株式会社の特許第5566445号に着目した。(参考資料2)
この特許技術の思想は、自動ブレーキ機能で運転者に安全を提供しながらも、自動ブレーキよりも運転者の意志による運転を優先すべき場合があるところに注目して、自動ブレーキが発動される条件の範囲内に例外的に運転者の意志を優先すべき条件を設定して運転の自由度も確保しているところにある。この特許技術があれば運転能力の衰えた高齢者も安心して自由に運転できるようになる。
【特許情報を日本の財政状況にあてはめる】
この特許情報を等価変換理論を用いて、日本国の財政運営にあてはめて考えてみる。
そうするとこれまでの約30年間の財務省主導の財政運営は過度なインフレや財政破綻を恐れるあまり、消費税によって経済にサイドブレーキをかけたまま、政府支出を削減することで経済のアクセルを弱めていたために、経済をエンストさせていたのだと判る。
すなわち、今までは経済の暴走を確実に止める自動ブレーキがなかったので、運転能力の衰えた財務省はアクセルを強く踏むのが怖くてサイドブレーキをかけたままで、運転していてエンストをしていたのである。
本来は、国債の日銀引き受け又は政府貨幣発行で豊富な財源を確保して政府支出および減税をしておれば、日本の経済は大発展していたのである。それなのに、国債発行をすることについて財務省は怯え続けているのである。
すなわち、財務省は国債発行や政府貨幣発行がどんどんされて政府支出が拡大すると過度なインフレになるとか、財政破綻するなどとしている。
財務省は国債発行残高の数値が増えることと過度なインフレに怯えている(または怯えているふりをしている)ので、現代貨幣理論でいくら説明しても聞く耳を持たず、通用しない。
注)現代貨幣理論(MMT)によると、国債発行による財政破綻は、そもそも変動相場制の国の自国通貨建ての国債ではあり得ないのであるから心配する必要がない。
そこで、国債発行残高をゼロにしてしまうという方策と過度なインフレを自動的に抑制するブレーキとなる税制の具体策を示す。
【国債発行残高をゼロにする具体策の候補の比較検討】
国債を全額償還して国債発行残高をゼロにするためには財源が必要となる。そこで、財源となり得るものを列挙して、その特性を吟味する。
【財源獲得手段の種類】
手段1.政府貨幣を政府支出の財源とする。
手段2.政府貨幣を日本銀行に当座預金して得た日銀当座預金を政府支出の財源とする。
手段3.国債を日本銀行に購入させて日本銀行から得た貨幣(日銀当座預金または日銀券)を政府支出の財源とする。
手段4.国債を民間銀行に購入させて民間銀行から得た貨幣(日銀当座預金または日銀券)を政府支出の財源とする。
手段5.税収を政府支出の財源とする。
【各財源獲得手段の特性比較】
手段1.政府は元金も金利も返済不要である。市中に日本銀行券と政府貨幣の2種類が流通することになる。現在も100円硬貨や500円硬貨が流通しているので、1万円硬貨を流通させることもできる。しかし、市中に日銀券と政府貨幣の両方が流通すると混乱を招くとして財務省は反対する。
手段2.政府は元金も金利も返済不要である。市中には政府貨幣は流通しない。1兆円ウエハーなどを実現できて、国債発行残高を一括返済することもできる。しかし、政府貨幣を日銀に当座預金することは国債の日銀引き受けと同じだから過度なインフレをもたらすし、財政法5条違反であると財務省は主張する。
注)1兆円ウェハーについては下記リンク先を参照。
http://j-strategy.com/opinion2/4601
手段3.日本銀行は政府の子会社なので実質的に元利合計の返済不要である。実質的に返済不要なので日本銀行が国債を購入した時点で国債を消滅させるという事が望ましい。しかし、この手段は財政法5条にて「日銀引き受け」と名付けられ、過度なインフレを引き起こすからという事で原則的には禁止されている。
手段4.民間銀行に金利を与えることになる。民間銀行が国債を購入したがるように金利を設定することが必要。
国債の金利が急騰すると政府は金利が支払えなくなり債務不履行になる可能性があるとして、財務省はこれに反対する。
手段5.政府支出額を超える税収を獲得すると民間経済が縮小してデフレとなる。本来は税収は政府支出の財源ではない。政府支出があってはじめて税収を得ることが可能となるため。財務省は増税して支出を減らすことに熱心である。⇒ 必然的にデフレになる。
【国債発行残高をゼロにする手段と、インフレ自動抑制税制の具体策】
過度なインフレを防止する仕組みを税制などで埋め込んでいさえすれば、手段2や手段3が適切である。当然、PB黒字化目標は撤廃する。
手段2や手段3を実行するために財政法5条「すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、又、借入金の借入については、日本銀行からこれを借り入れてはならない。但し、特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りでない。」を削除すれば良い。
また、次に示す消費税法と地方税法の改正による税制を実現することで過度なインフレは防止する「経済の自動ブレーキ機能」を実現できる。
消費税法で規定する国税としての消費税率と、地方税法で決まる地方消費税の税率とを、次のように決めればデフレまたは低いインフレ率の時には消費税率0%となり、年率約3.5%を超える過度なインフレの時にだけ消費税が自動的に課されることになる。
【現行】
消費税法 第二十九条 消費税の税率は、百分の七・八とする。
地方税法 第七十二条の八十三 地方消費税の税率は、六十三分の十七とする。
【改正案】
消費税法 第二十九条 消費税の税率は、次の数式によって定める。
消費税の税率=Max(0%,(前年度のインフレ率ー2%))× 0.78
ただし税率の小数点以下は切り捨てる。
地方税法 第七十二条の八十三 地方消費税の税率は、次の数式によって定める。
地方消費税の税率=Max(0%,(前年度のインフレ率ー2%))× 0.22
ただし税率の小数点以下は切り捨てる。
【参考資料】
1.
財務省による世界最悪の財政政策が20年間で6500兆円の損失をもたらした
2. ダイハツ工業株式会社の特許第5566445号
その請求項1は次のとおりである。
【請求項1】
障害物までの距離を検出する検出手段と、
自車両と前記障害物との衝突可能性を判断する判断手段と、
前記判断された衝突可能性に基づいて所定の衝突防止動作を実行する衝突防止手段と、
運転者による操舵の度合いが所定以上であることを検出した場合に前記衝突防止動作を抑制する抑制手段と、
所定の車速以下の場合に前記操舵の度合いが所定範囲内であるときに、前記操舵の度合いが前記所定以上であっても、前記抑制手段による前記衝突防止動作の抑制を解除する抑制解除手段とを備えたことを特徴とする運転支援装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、検出手段により検出された障害物までの距離に基づいて自車両と障害物との相対速度が算出され、検出距離および算出された相対速度に基づいて、自車両と前記障害物との衝突可能性が判断手段により判断される。そして、判断手段により判断された衝突可能性に基づいて、自動ブレーキや自動操舵などの所定の衝突防止動作が衝突防止手段により実行される。
【0010】
また、運転者により操作されたハンドルの舵角や操舵トルクなどの操舵の度合いが所定以上であることが検出された場合に衝突防止動作が抑制手段により抑制される。したがって、衝突可能性のある場合にドライバによる所定以上の度合いでの操舵が検出されれば、自動ブレーキや自動操舵などの衝突防止動作が抑制されるので、ドライバが意図する回避操作を自車両に反映することができる。