海外要因ではなくて日本要因
最近になって株価が回復してきました。
ところで昨年12月中旬あたりから株価が下落基調を続ける中で、アナリスト、解説者たちによってずっと言われてきた言葉があります。
「海外要因によって日本の株価が冴えない」
(過去6か月間の日経平均推移)
ほんとうでしょうか。
というのも、主要な米国企業の決算報告書を読んでいると、どうも違う印象を受けてしまうのです。
地域毎の売上高や利益といったセグメント・インフォーメーションが出てくるのですが、日本の数字が(他国、他地域に比し)パッとしないケースが多いのです。
日本の株価がパッとしないのも実は海外要因ではなく、むしろ日本要因ではないか・・・。
今月12日にIMFによって「世界経済見通し(World Economic Outlook)」が発表されました。
この3頁目に各国の経済成長率の実績と見通しが出てきます。
上記のような表なのですが、日本語にして要点を下記に書き出してみましょう。
まず2014年と15年の実績。
数字はGDPの対前年比成長率(%)です。
2014 2015
世界全体 3.4 3.1
米国 2.4 2.4
ユーロ圏 0.9 1.6
新興・途上国 4.6 4.0
日本 0.0 0.5
新興国や欧州が世界の足を引っ張っているとか、いろいろ解説する人がいましたが、どうも日本が良くないように思えます。
次に見通し。
2016 2017
世界全体 3.2 3.5
米国 2.4 2.5
ユーロ圏 1.5 1.6
新興・途上国 4.1 4.6
日本 0.5 ▲ 0.1
見通しの上でも、日本が一番冴えないように思います。
4月27日~28日の日銀金融政策決定会合、市場は追加緩和を強く期待(先取りして株価が先週上昇)していますが、さて・・・。