雇用のスパイラル
グーグルの決算が好調で、after hours trading で809ドルをつけました(注:このブログを書いているときの数字)。
結果、時価総額でアップルを抜き去り、世界最大の会社となりました。
12年前に上場した時は初値50ドル。
12年間で16倍になったことになります。
以下は 『ザ・サーチ グーグルが世界を変えた』 に出てくる一節です。
「わずか5人ほどで始まったグーグルも(中略)2000年の終わりには従業員数は150人に達していた。 (中略)どういう人物を雇えばいいか(中略)、ペイジとブリンは兄弟や友人の失敗を繰り返さない決意だった。
なかでも雇用をめぐるスパイラル現象だけは、絶対に避けたかった。
雇用のスパイラル現象とはなにか。まず経営者がAクラスと判断した人材を雇ったとする。(中略)そこで経営者は彼に、適任と判断する者を雇うよう依頼する。こうして採用された者が、さらに適任と思う者を採用する。
しかしこれが続くと、雇用のスパイラル現象という大きな問題が発生する。まずAは自分に刃向ったり脅威にならないような人物Bを選ぶだろう(以下略)」(上記書193頁)。
先日紹介した 東洋経済新報社の記事 ではグーグルの20%ルールについて書きました。
組織が硬直化、官僚化しないようペイジとブリンの2人は初期の段階から何度も2人で話し、工夫を凝らしてきました。
彼らはデータマイニング(ブリン)やウェブの数学的構造(ペイジ)の分野における天才であるだけではなくて、経営者としても有能であることがマーケットにも知れ渡ってきました。
「破壊しなければ創造が生まれない」として、グーグルという組織をいったん内部から壊し、アルファベットにしたのもその一例でした。
(Hidetoshi Iwasaki’s Blog)