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神谷秀樹

神谷秀樹

非営利目的投資銀行家。
1953年東京生まれ。1975年早稲田大学政治経済学部卒業。住友銀行入行。1984年よりGoldman Sachs(米本社)勤務。1992年Roberts Mitani, LLC創業 同社 Founder / Managing Directorに就任。2012年に営利投資銀行業務を終了し、以降非営利投資銀行家として活動。2014年より東京大学 生産技術研究所長及び医科学研究所長のシニア・アドヴァイザーを務める。

主な著書
『人間復興なくして経済復興なし!』 亜紀書房 2013年
『ゴールドマン・サックス研究』 (文春新書)  文藝春秋  2010年
『さらば、強欲資本主義』 亜紀書房 2008年
『強欲資本主義 ウォール街の自爆』 (文春新書)  文藝春秋 2008年
『ニューヨーク流たった5人の「大きな会社」―我々の仕事の仕方・考え方』  亜紀書房  2001年

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筆者は米国籍であり、日本の選挙には参加できない。従って、一傍観者にすぎないが、今回の選挙の 様子を観 み ていて、かつてドイツで「ワイマール憲法」がいつのまにか停止され、一挙にナチスが台頭し たときは、こんなものではなか

前回より本連載で「投資に伴うリスク」について論じ始めたが、本稿ではその2回目として「バブル の形成と崩壊」を採り上げる。それは、筆者自身、証券投資において一番損をしたのが「バブル崩壊を 回避できなかった」という個人的な経

投資をするにあたっては、①投資した元本をやがては回収できるのか(元本リスク)②投資先が法的 または社会的な問題を引き起こし、出資者に思わぬ損害賠償が求められたり評判を落としたりはしない か(コンティンジェント・ライアビリ

新規事業を始め、投資する際に審議される事業計画書には、一言「これだけ儲けます」と書いてある わけではないはずだ。どのような事業で、どのような財またはサービスを世に提供し、世にどのような インパクトを与えるのか、またなぜそ

イノベーションを推進するにはまず「良い目利き」が必要で、そのような人を見つけさえすれば、ベ ンチャー投資が大成功するかのように思われている。しかし、筆者の見解は異なり、まずもってこのよ うな「目利き」が居ると思うのは幻想

投資にあたっては、対象事業の「社会性」「経済性」「持続性」を検証することが重要だが、「社会性」 と「経済性」は、「一方を立てれば他方が立たず、相反するもの」と考えられがちである。しかし、そ の事業の「持続性」を考えれば、

人を「投機」に走らすものは「強欲」だが、人を「投資」に導くものは「大志」と「情熱」である。 「投機」と「投資」は根本的に異なるものだが、現世ではこの両者はすっかり混同されている。中央銀 行の超金融緩和は「投機」を招くが、

日本の耕作地の総面積は約454万㌶だそうだが、その多くの部分が低稼働または不採算で、政府の 保護なくしては維持不可能だ。これらの農地所有者には、これまで減反などでさまざまな政府補助金が 支払われてきたが、その金額は農家へ