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「投資」を考える⑥ 投資の目的と果実の評価 「奇麗なお金」と「きたいないお金」

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新規事業を始め、投資する際に審議される事業計画書には、一言「これだけ儲けます」と書いてある わけではないはずだ。どのような事業で、どのような財またはサービスを世に提供し、世にどのような インパクトを与えるのか、またなぜその事業はその会社が採り上げるにふさわしいのかなどが、情熱を 込めて書かれているはずだ。そして、その事業を行うにあたって、これだけの投資を必要とし、これだ けの利益をやがて上げるであろうと予想されるのが通常だ。
しかしながら、「投資の果実の評価」となると、株主は「いくら儲かったのか」(リターン・オン・イ ンベストメント、ROI)、「利回りはどうなのか」(リターン・オン・エクイティー、ROE)、といっ た数字ばかりに注意が行き、経営陣も株主も「株価」にばかり気をとられるようになる。一方、「事業 の目的をどのようにして、どれほど達成したのか」を吟味する質的な議論はお座なりにされがちだ。
筆者は自分自身一つの会社を創業し、経営にあたったが、そのような数字本位の評価は決して自分の 意図を反映するものではなかったし、また、自分の投資先を評価するにあたっても、「利益」という数 字だけを主たる評価の対象にすることはなかった。本稿においては「投資の目的と果実の評価」につい て再考する・・・。

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