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第37回 国際法務その3: 国内法(日本法)の種類(分野)

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今度の「国際法務シリーズ」で取り上げる法律は、「国際法」ではなく、すべて「国内法としての日本法」です。前々回(第35回)で述べたことですが、ときには「国際なになに法」(たとえば「国際刑法」)という呼び方をすることがあっても、それはあくまでも「国内法としての日本法」の「国際的側面」を意味することに注意して下さい。それでは今度の「国際法務シリーズ」で取り上げる「日本法」には、どのような種類(分野)があるでしょうか。イギリスの思想家ジョン・スチュアート・ミルの言葉であるとされていますが、専門家はすべからく「すべての事柄について何ほどかを、そして、ある事柄についてすべてを、知るよう努力すべき(try to know something about everything and everything about something)」という言葉は至言です。ただし、「知るよう努力すべき」なのであって、「知っているべき」とは言っていないのです。つまり、およそ不可能であることは十分に覚悟しながら、なお「知るよう努力すべき」と言っているのです。どのような「日本法」の分野の専門家になるにしても、「すべての事柄(自分の自称専門分野以外の分野も含めて)について何ほどか」を「知るよう努力すべき」であり、「ある事柄(自分の自称専門分野)についてすべて」を「知るよう努力すべき」なのです。この意味での「すべての事柄」としての「日本法」を以下の14種類(分野)に分類することにします。

日本法の種類(分野) 英語訳 英語の略称
1. 独占禁止法
(公正取引委員会) Antitrust Law
(Fair Trade Commission) FTC エフ・テー・シー
2. 外国為替法 Foreign Exchange F エフ
3. 税法 Tax Law T テー
4. 会社法 Corporation Law C シー
5. 労働法 Labor Law L エル
6. 証券法 Securities Law S エス
7. 保険法 Insurance Law I アイ
8. 訴訟法(仲裁法) Litigation (Arbitration) L エル
9. 国防法 National Security S エス
10. 移民法(貿易法) Immigration Law (Import/Export Law) I アイ
11. 知的財産法 Intellectual Property Law P パ
12. 環境法 Environmental Law E アー
13. 業法(規制法) Regulated Business Law R アー
14. 消費者法 Consumer Protection Law C ク
エフ・テー・シー、エフ、テー、シー、エル、エス、アイ、エル、エス、アイ、パーク(FTC, F, T, C, L, S, I, L, S, I, P, E, R, C)と記憶すると便利です。次回からは、これら14種類の種類(分野)の日本法について「何ほどかを知るよう努力 (try to know something about everything)」しましょう。

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