10年後 その危機は何か?
日本人のノーベル賞受賞は、昨年の物理学賞 梶田隆章 医学生理学賞の大村智氏を合わせると、21世紀の自然科学分野では、米国に次ぐ第二であるとのこと。
日本人として、大変名誉におもいます。
しかし違った角度から見ると、喜んでばかりいられません。
むしろ今後の日本にとって憂慮すべき事態が潜んでいます。雑誌Natureの特別企画冊子Nature Index2015 Asia―Pacificによれば、
2014 Ⅰ-12月データで全世界で出版された高品質な論文中1/4以上がアジア・太平洋からで、トップ中国(6,032.51)2位日本(3,198.73)3位韓国(1,167.49) 4位オーストラリア(950.22)
中国は世界でも米国に次ぐ第2位 *( 数字 )はWeighted Fractional Count
今後のノーベル賞受賞数はNatureのデータと強い相関性を以って決まってくるであろうことは、容易に推測できるところで、そうなると、日本人の受賞数がアジアの他国の後塵を拝する事態は高い確率でありうることである。原則から言えば、これまでの日本人の受賞は過去の諸先輩の研究ストックからでてきたもので、今後を占うには、今後ストックの増え方を見なければならないであろう。受賞数が、日本人の科学技術のレベル、国際競争力、ひいては、日本の国力にリンクし得ると考えるのは決して論理の飛躍ではないと思われます。文科省、各大学、研究機関、各企業には10年先を見据えた展望の見直しを迫られているのではないでしょうか。
政治の政策展望は、ややもすると選挙の関係で3~4年先が実質的限度となりその先が、政策のブラックボックスになるのが普通でしょう。
まずは、志ある有識者から、国などに対し声を上げるところから始めなければならないのではないでしょうか。