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桑原靖夫
終わりの始まり: EU難民問題の行方(15)
EU基盤に亀裂進む EUの国境管理システム、シェンゲン協定は、ヒトの域内における自由移動を保証するという画期的な協定であり、長らくEUを支える強い基盤となってきた。しかし、このたびの難民問題の深刻化に伴い、いまやその基盤
終わりの始まり:EU難民問題の行方(14)
突然の逆風:アンゲラ・メルケル首相は耐えうるか 新年を迎えたばかりの1月22日、エーゲ海でまた難民・移民を乗せたボート3隻が転覆、子供を含む45人が溺死した(追記:1月30日にも、子供5人を含む30人の難民がボート転覆で
今後10年間に起こりうるリスク
リスク社会を生きる心構え この世は、一寸先は闇といってしまえば、それで終わり、話は続かない。しかし、今後の世界に起きるリスク現象には、因果の経路を見出すことが出来て、ある程度の予想が可能な場合もある。多くの場合、複雑系と
終わりの始まり: EU難民問題の行方(13)
劣化する文明の兆候 2016年の新年は、世界規模での大きな波乱で始まった。中国経済の減速、中東の大国イランとサウジ・アラビアの突如の国交断絶、さらに1月6日には北朝鮮が水爆の実験を実施したと発表。こうした動きを反映して、
終わりの始まり(12):EU難民問題の行方
「今年の人」として、Time などの表紙を飾っているアンゲラ・メルケル首相だが、彼女の存在を際立たせた最大の問題、EUの難民受け入れはきわめて難しい局面を迎えている。EUの加盟国の多くが、難民受け入れを拒み、次々と国境審
終わりの始まり(11):EU難民問題の行方
アンゲラ・メルケル首相が雑誌 TIME の「今年の人」(Time’s Person of the Year)に選ばれた。きわめて妥当な選出だろう。女性としては、1986年以来とのことである。The Econo
EU難民問題の行方(10)
11月13日金曜日、パリで起きたIS(イスラミック・ステート)による凄惨な同時多発テロ、そしてその実行犯を追いつめて、郊外サン・ドニでおきた惨劇は、射殺された犯人の数を別にすれば、フランス近世の宗教・政治史に残る聖バルテ
終わりの始まり(9):EU難民問題の行方
短かった夏の盛り 夏はどうしてこれほどはやく過ぎてしまったのか。できることなら時計の針を止めたい。ドイツのアンゲラ・メルケル首相の心中を推し量る。世界は激流に翻弄されている。主要国の首脳は傍目にも忙しくなっているようだ。