成長戦略を活かす「リスク・マネジメントと保険の手配」(その14) 成長戦略としての「危機管理(Crisis Management)」
大統領の弾劾・経済の低迷・治安悪化・ジカ熱等の感染症・競技場建設遅延等数々の不安を抱えながら開催されたリオ・オリンピックも数々の熱狂と感動の内に閉幕しましたが、過去最大41個のメダルをもたらした日本選手団の活躍にテレビから目を離せなく寝不足が続いた方々の多かったのではないでしょうか。日本においては、参議院選挙での圧勝を受けた安倍政権は一にも二にも「経済優先」とアベノミクスの再活性を図るべく金融・政策の拡充に腐心していることに加えて、リオ・オリンピックの成果により2020年の東京オリンピックの成功に向けての機運が盛り上がることで、日本経済の好転換に繋がり本格的なデフレ脱却が図りたいようだが、思惑通りに行くだろうか…注視していきたいものである。
実際、円安で好決算を享受してきた企業業績は、足下円高に転換したことで一転減益基調へと不安が拡大している。
このような経済環境下において、企業にとって要注意なのは、左図のように思いもつかぬ「事故・事件に遭遇」したときや、「リコールや不正会計・独禁法違反等の不祥事等」が発覚した時の「危機管理」対応であろう。問題発生への対応次第で、逆に消費者あるいはステークホールダーに信頼感を与え「雨降って地固まる」になるか、経営陣に対する信頼感を損ない「企業存続・売却の危機にまで発展するか」が大きく分かれる。そこで、最近起こった各種の「事故・事件」の事例等を参照しながら企業の「危機管理」並びに「保険の有効性」について述べてみたい・・・・