対テロ戦争勝利の条件
11月13日午後9時過ぎ、パリにて多発テロが発生した。今やテロは世界各地において起こり得る情勢となっており、テロへの備えが急務である。本稿は、対テロ戦争勝利の条件として箇条書きにまとめてみたものである。
○ パリ多発テロの概要
11月13日 午後9時過ぎ 30分8か所 130名近い犠牲者
国際テロネットワークの強さ証明、組織的・計画的、容疑者多様
仏等:インテリジェンスの失敗か?
*IS 新たなフェーズに:域外での活動能力、組織性・計画性
○テロとの戦いの特性
超長期戦、多層防御、意思対意思の戦い、我は常に本質的に受動(時期、場所、手段、規模等)、
主導権奪回=情報の優越、多様なテロ手段への対応、膨大な対処所要経費や対処勢力、機械の活用・限界と人の目の併用
弱点へのテロ攻撃影響大→弱点の克服
*テロの背景を、宗教や民族問題、難民問題に転嫁すべきではない。
Ⅰ テロとの戦いにおける国際社会の責務
(1)G20 テロとの戦い声明(11/16) 歓迎
日米欧と主要新興国による20カ国・地域(G20)首脳会議は、テロを非難し、連帯してテロと戦う強い決意を表明した。
(2)国際連帯
情報の共有、戦いの意思表明、決して屈しないとの毅然たる態度
弱き鎖になるな(支援・協力を)!離脱を許さぬ連帯を
(3)IS封じ込め
・軍事作戦、武器・資金や要員過激主義者の流入阻止、根拠地や重要施設の破壊、支配地域の奪回等
・有志連合は何をすべきか 空爆のみの効果は限定的、ならば・・・
Ⅱ テロの拡大要因と長・中期的施策
(1)米国の迷走が拡大させた?
兵家の最も戒むる“遅疑逡巡”と“戦力の逐次投入”の弊
芽を早い段階に摘めなかったのか???
(2)シリア内戦の終結に国際連携を
・小異を捨て大同に(特に米露)、停戦から和平への道筋、
・国際社会の責務
(3)テロを産む土壌や社会的背景、政治風土の改善
・破綻国家や内戦状態にある国家への国際社会一致した対応、安保理の責務は
・国際社会は国家再建・再生に更に関与を
Ⅲ 我が国の取るべき方策
(1)対テロ対策
・先ず情報の収集集約共有、国際連携
・監視・探知機材の研究開発、ヒューミントやシギント
(2)警備の強化
・ターゲットになり得るもの(重要警護対象、交通機関やターミナル、
大規模集客施設等)の警備強化を
・見える警備による抑止、人の目による監視による抑止
・情報の速報・集約体制、監視・検知・分析体制、対処部隊の能力増強、
・国民をも含めた訓練の実施
(3)水際対策の徹底、国境管理の徹底
機械による監視・検知の強化等
(4)態勢整備
・非常事態対処法の要否は、
・独自の情報収集機関は(半歩前進はするが・・)
(来年の4月以降に外務省に設置するとしてきた「国際テロ情報収集ユニット」の発足を前倒しする。)
・共謀罪の新設を
(5)過激主義との訣別の啓発・指導を!
感化されやすい若者に対する啓発を急ぐべし
○ 我が国のテロ対策が急務!
やるべき事数多、時間は僅少
国民の啓蒙
恐れよ、されど怖がるな! 敵の術中に嵌るな!