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桑原靖夫

桑原靖夫

慶応義塾大学経済学部卒業、コーネル大学大学院修了(労働経済・労使関係)。民間企業、経済協力開発機構、日本労働協会(現労働政策研究・研修機構)、獨協大学教授、獨協大学学長などを経て、同大名誉教授。その間、ケンブリッジ大学ウルフソン学寮、放送大学、復旦大学客員教授、雇用審議会専門委員、中央家内労働審議会、中央最低賃金審議会委員なども務めた。
主要編著書:『国境を越える労働者』、『グローバル時代の労働者―どこから来てどこへ』『労働の未来を創る』、『先進諸国の労使関係』
最近の関心領域:労働経済の国際比較、近世ヨーロッパ美術・文化研究
転載先: 『時空を超えて』(桑原靖夫ブログ)

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EU基盤に亀裂進む EUの国境管理システム、シェンゲン協定は、ヒトの域内における自由移動を保証するという画期的な協定であり、長らくEUを支える強い基盤となってきた。しかし、このたびの難民問題の深刻化に伴い、いまやその基盤

突然の逆風:アンゲラ・メルケル首相は耐えうるか 新年を迎えたばかりの1月22日、エーゲ海でまた難民・移民を乗せたボート3隻が転覆、子供を含む45人が溺死した(追記:1月30日にも、子供5人を含む30人の難民がボート転覆で

リスク社会を生きる心構え この世は、一寸先は闇といってしまえば、それで終わり、話は続かない。しかし、今後の世界に起きるリスク現象には、因果の経路を見出すことが出来て、ある程度の予想が可能な場合もある。多くの場合、複雑系と

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「今年の人」として、Time などの表紙を飾っているアンゲラ・メルケル首相だが、彼女の存在を際立たせた最大の問題、EUの難民受け入れはきわめて難しい局面を迎えている。EUの加盟国の多くが、難民受け入れを拒み、次々と国境審

アンゲラ・メルケル首相が雑誌 TIME の「今年の人」(Time’s Person of the Year)に選ばれた。きわめて妥当な選出だろう。女性としては、1986年以来とのことである。The Econo

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短かった夏の盛り 夏はどうしてこれほどはやく過ぎてしまったのか。できることなら時計の針を止めたい。ドイツのアンゲラ・メルケル首相の心中を推し量る。世界は激流に翻弄されている。主要国の首脳は傍目にも忙しくなっているようだ。