「投資」を考える⑨ アベノミクスの回顧と 15 年の展望 「トリクルダウン理論」は極め付きの間違い
筆者は米国籍であり、日本の選挙には参加できない。従って、一傍観者にすぎないが、今回の選挙の 様子を観 み ていて、かつてドイツで「ワイマール憲法」がいつのまにか停止され、一挙にナチスが台頭し たときは、こんなものではなかったのかと想像した。
日本の平和主義は方向転換され、隣国との関係は冷えた。言論統制に向かう立法がなされた。誤った 通貨政策により、国民全員が5割貧乏になり、国内総生産(GDP)は今や中国の半分。「1人当たり GDP」は4万㌦を割り、アジアでも6位に転落するとの予想まで出ている。国債の格付けはもはや中 国、韓国の下。それでも政府は「この道しかない」と突き進む。新たな国のビジョンは生まれず、それ を求める国民の声も聞かない。ただ「無関心」(戦後最低の投票率)の裾野だけが広がり、議会を押さ えた権力者がその「無関心」を利用する。その権力が目指すのは時代錯誤の「富国強兵」だ。そのうち 「産めよ増やせよ」も加わるかもしれない…。