成長戦略を活かす「リスク・マネジメントと保険の手配」(その12) 成長戦略「想定外と企業モラル/コンプライアンス」のリスク
アベノミクスも日銀による金融政策の限界で何やら不透明となってきたこの時期に、二つの大きな出来事が起こった。一つは、それこそ想定外地域・熊本での大地震である。今回の布田川断層帯の30年以内の地震確率は何と0.9%だったことから誰もが想定外と思っている事だろう。実は、筆者はちょうど1年前(昨年4月)この熊本で「企業リスクと保険」をテーマにセミナー講師を務め、その中で「東日本大震災の教訓」として地震リスクについても取り上げていたが、参加者は一様に「九州ましてや熊本では地震は起こりませんよ」と一笑に付されていたことを残念に思い出している。
もう一つは、またもや明るみに出たM自動車の「データ改ざん」等に見られる企業不祥事である。このようなことが起こると一様に「社内調査委員会」が設けられ、原因と対策が論じられるわけだが、残念ながら企業Topの社会通念上持ち合わせていなければならない「企業モラル」の欠如と言わざるを得ないのではなかろうか・・・。